第6話 ごった煮

 今回の感想は、 黄間友香さんの小説「ごった煮」です。

 これは短編集となってます。


 ごった煮(★)

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054882181815


●ストーリー(小説の概要より転載)

ひとつひとつは短いです。


少し整理して他の短編を作るために何個かお話を下書きに戻します。

タイトルは仮ですが、ごった煮並みにダサタイトルです。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054882916474


●感想

 全体を通して、クオリティが高い作品とそうでない作品の落差があります。

 また、いくつかの作品は作りこまれたプロット集なのではないかと思いました。

 特に印象が強かった作品についてこちらでは感想を述べさせていただきます。


・隣のアイドルと隣の横綱の世界観で作られた長編(中編でもいい)を読みたいです。

 こういう優しい世界は読者にとって、とても居心地がいいので。

 むしろ合体させて細かい微調整をして

 「富士見L文庫×カクヨム 美味しい話&恋の話 短編小説コンテスト」

 恋の話にエントリーさせてもいいかもしれません。


・時計塔の近くの病院の目の前のアパートに住む猫

 検索してその近況ノートへ読者がたどり着くまでの時間を考えると、高尾つばきさんの近況ノートへのリンクが切実に欲しいです。

 高尾さんの近況ノートを読んだ後に読みましたが、タイトルにもなった設定の必然性が見えませんでした。

 単なるクロスオーバー(リスペクト?)企画ならそのようにタイトルに書かれた方が親切です。


・新人類ジュニア

 SFだからなのでしょうか。

 行間がつまり(改行が少ない)書き方ですね。設定と世界観の説明が大部分ですが読者が興味を持ちやすいようなポイントを見つけられませんでした。

 話の内容は一瞬ReLIFEを彷彿としてしまったけれど、はるかにライトで、もうひとひねり欲しいところです。


・宣告

 落ちが効いてました。

 短編ならではの作品だと思います。


・30秒で泣く女

・30秒間泣かれる人々

 30秒間泣く女のお話です。30秒で泣く女の話ではないと思います。


●気になった点

 小説作法を知っていてわざと崩しているのか、知らないのかが不明なのですが、話によって、!や?の後のスペースを空けたり空けなかったり、字下げの有無が混在しているのは意図が見えません。

 長編ならまだしも短編でしたらそろえていたほうが見やすいです。


 ここからは誤字脱字の報告です。

・読まれない小説

 ドラマちっく という表現はわざとですか?

 唐突だったので、少し考えてしまいました。


・カモミールティー

 次その匂いがした時私は、

 次に とか 次、とかにした方が読みやすくなるような気がします。


・長い手紙

 徒然なるまま書いてしましました。

   ↓

 徒然なるまま書いてしまいました。


 少し と すこし が混在しています。

 何か意図があってしていますか?


 向いてないいんだと思います。

   ↓

 向いてないんだと思います。


・答辞

 ?の後にスペースが空いているのと空いていないのと混在してます。

 何か意図がありますか?


 中学とは正直大違いだった。

 助詞はこれで正しいのでしょうか?何か違う気がします。


・最後の一人

 言葉の肥溜め

 何か別の言葉(ストックとか引き出し)に置き換えたほうがいいような気がします。(個人の感想)

 それは、この物語の雰囲気と『肥溜め』という言葉が噛みあっていない気がしたからです。

 例えば言葉の肥溜め《ボキャブラリー》とフリガナを振るだけでもかなり緩和されるとは思います。


 私は聞いている。以上。私が首を横に振るとちょっと眉を曲げて悲しげな顔をした。

 以上。 と 私が首を横に~ の間に改行はいらないですか?

 話の内容が少し違うので、同じ段落で語っているのが気になりました。


・ホチキス留め

 電車わ使わないけどね。

   ↓

 電車は使わないけどね。



 本当にごった煮でした。

 ただ、作品をブラッシュアップして別の作品を作るためのベースにもしているというのは、とても好感が持てます。

 1年経ったころにまた最新の短編集を読んでみたいと思う作者さんでした。

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