第5話 魔法少女、辞めます

 今回の感想は、 萩鵜あきさんの小説「魔法少女、辞めます」です。

 これはこの仕事がおもしろい! 「働くヒト」小説コンテストにエントリーしている作品です。


 魔法少女、辞めます(★★★)

 https://kakuyomu.jp/works/4852201425154869540


●ストーリー(小説の概要より転載)

 主人公紅彩芽は、魔法少女を辞めたい三十歳独身女性。

 だが、業界のTOPに座しているため、いつまで経っても魔法少女は辞められない。

「三十路で少女ってきついわぁ……」

 そう思い、いよいよ彩芽は辞職に向かって動き出す。

 結婚したい魔法少女、紅彩芽は果たして魔法少女を辞められるのか?


 某S賞最終選考落選作。



●感想

 まどマギのパロディとしてネットで出回っている、アラサーの魔法少女ネタとタイバニを足して2で割った物語世界の雰囲気がわかりやすかったです。

 終わりから始まる物語で再生についてとてもいい物語を紡がれたと思います。

 文字数を感じさせないわかりやすく読める展開がよかったです。

 本文だけでなく、【天地数歌】《あまうた》など、魔法についても口上についても言葉の選びかたが素敵でした。

 凝った設定や変わった設定を作るとそれで満足して物語の展開にあわせてキャラクターを動かす方も多いのですが、設定に寄りかからず、作中のキャラクターがちゃんと自分で考えて動いて物語を動かしているところが自然に描かれています。


 ラノベ向きだと思いますし、小説賞の最終選考に残ったのも納得です。

 応募中のコンテスト向きかといわれると少し違う気もしますが、とても面白い作品でした。



●気になった点

 

段落先頭の一字下げが抜けているところが序盤に散見されました。


カクヨムの編集サイドバーにある


本文を整形

段落先頭を字下げ


を使うと、簡単に一字下げができていないところが修正されるので、利用されるといいですよ。



会話と文章が一行になっていたり複数行になっていたりしているのは意図があるのでしょうか。

特別な意図がないのなら複数行にした方がいいです。


【例】

 「ギィィギィ!(ビビってんじゃねぇよ!)」魔塊が叫ぶ。「ギギギ(みんなでかかれば一発だ)」

  ↓

 「ギィィギィ!(ビビってんじゃねぇよ!)」

 魔塊が叫ぶ。

 「ギギギ(みんなでかかれば一発だ)」

 もしくは

 「ギィィギィ!(ビビってんじゃねぇよ!)」魔塊が叫ぶ。

 「ギギギ(みんなでかかれば一発だ)」



 !や?の後に文章を続けるときは1マスあけるのですが、できているところとできていないところがあります。

 見落としがあると意味がないので、これは自分で探して修正してください。



 難しい漢字にはフリガナをつける習慣があるといいと思いました。

 フリガナは読者のストレスを軽減します。

 読み方を調べる時間が少ないほうが物語世界へ深く入り込みやすいです。


 ここからは誤字脱字など、気がついた範囲で書かせていただきます。


プロローグ


 過給結界師

  ↓

 下級結界師




第1章 魔法少女、育てます 1←(半角の1)


「お酒って、なんのお話? 楽しいお話し?」

  ↓

「お酒って、なんのお話? 楽しいお話?」


「楽しい話しではないわね」

  ↓

「楽しい話ではないわね」



第1章 魔法少女、育てます 2


 早早に

  ↓

 早々に [他の繰り返しで使う単語は"々"を使っていたので]


 滂沱(ぼうだ)とフリガナをつけたほうが親切です。



第1章 魔法少女、育てます 3


 僅かに送れて、

  ↓

 僅かに遅れて、



第1章 魔法少女、育てます 5


 攻撃どりよく

  ↓

 攻撃どりょく



第2章 魔法少女、夢を叶えます。2


 聡美の苦労話し

  ↓

 聡美の苦労話


第2章 魔法少女、夢を叶えます。3


 泥沼に落ちた像のように。

  ↓

 泥沼に落ちた象のように。



第2章 魔法少女、夢を叶えます。5


 鍔を飲み込んだ。

  ↓

 唾を飲み込んだ。


「ギ?(あれ?)}

  ↓

「ギ?(あれ?)」



第3章 魔法少女、紅彩芽 1


彩芽が空亡の【無】呑まれる瞬間、

  ↓

彩芽が空亡の【無】"に"呑まれる瞬間、でしょうか? 助詞が抜けているようです。



第3章 魔法少女、紅彩芽 2


 空亡きの

  ↓

 空亡の 

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