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「せんぱーい」

「あ?」

「もう夏ですよ」

「それがどうした」

「夏といえば?」

「…スイカ」

「ふふふっスイカって……どんなけ食い意地発展ですかアンタは」

「じゃあなんだ」

「夏といえば夏祭りでしょう?」

「んなんしらねぇよ」

「えぇ、そんなこと言わずに。それでですね、実は明後日に夏祭りがあるでしょう?それのお誘いです」

「明後日の夏祭りねぇ……」

「せんぱい彼女なんていないでしょ」

「お前のその自信はどこから来るんだ」

「自信じゃなくて確定事項です。せんぱいの彼女は私です」

「おま、はぁアホか」

「アホで結構、それでどうなんですか?」

「……あのな、お前は俺ら付き合ってもないのに、順序ってものを…」

「 」

「バッ…!なんで、」

「なんでも何も無いでしょう?私はせんぱいのことが好きで、せんぱいも私のことが好き。なんでキスするのがダメなんでしょうか」

「俺はお前が好きだなんて言ったことは無い」

「大丈夫です、行動から感じ取るので」


「はぁ、ったくわかったよ」

「!夏祭り、一緒に行っていただけますか?」

「なんでおめーは祭りのことは聞くのに大事なことは聞かねーのか」

「?」

「俺の口から聞きたくねぇのか?」

「…なんのことです?」

「ったく、これだから……じゃあ言ってやらねえ」

「え、ちょどうゆうことですか!?」

「祭りってお前浴衣着るのか?」

「着るつもりですけど……せんぱい!」

「お前のことなら似合うんだろうな、浴衣」

「へ」

「ま、いつも可愛げ無いけど祭りの日くらい期待してるぞ」

「話そらさないでくださいよ!え、でも、あの、ちゃんと可愛くしていきますからね!」

「おう、俺の口から言わせてみろ」


────可愛い、好きだって。

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ショートストーリー 方 久太 @HNK

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