幸せって何だっけ?何だっけ?

一人の画家が残した絵から始まるお話。

耽美な描写がなかなか良い具合です。
呪いの絵について探っていくようなお話ではなく、どうして画家はその絵を書いたのか。というようなお話。

この辺りで絵の謎が気になる方は少しズレを感じるかもしれませんが、これはこれで良いんです。
この絵が存在するということがこのお話の中で重要なのだと思います。

正直なところ人を選ぶでしょう。
はっきりと感想が分かれるお話だと思いますが、僕はこういうお話が好きなのでこのような評価にさせていただきました。

ただ個人的には唯一の人間であるセシルの存在感がもっとあればと思うところです。
ディータとセシル。この二人の対立、違い、葛藤などがよりはっきりと見えてくるようになればもっと僕の好みになりました。
この存在感の薄さが作劇で効果を生み出している可能性も否定はできませんが……。僕個人の好みの問題です。

しかしそんなことよりもこう上手く男同士の絡みを見せられるとどきどきします。さすがの上手さでした。