3



デブ猫は吾見てそっと泣いてるのと一声言えずにあくびをする



2


拝啓今すぐ直ちに会いに来てよこうして文字に書かせないで




ビー玉がごろりと落ちる引き出しに赤クレヨンの父とアルバム




分かったわそんなことよりもう寝なさいそんなことよりそんなことより




秋口に仕込んだ押し葉を偶然に取れば砕ける記憶と共に



6


ようこそ東京はこの星でいちばんの都市ですもちろんヒトの




音しずか鱗をこする桜葉の陰地に坐るわるい子供だ



8


お茶入れるあなたの背中に嘘ついた自分が為にふたりのために




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