2



真昼びは夜に歩めば遠ざかりうつ伏して聞くしおの導き



2


ホトケノザさすれば露は落ちにけり腕をせがまん朝を待つ間に



3


まんまるのミルクかき抱き峰仰ぐダレモ標さぬ人の調べよ



4


カバン投げ列車を停める吾を背にし夫が妻へ説明してる



5


焼け稲に天も惚れたかそぞろ雲宵の口より一献済ませ



6


夜蜘蛛よお前も棘を突き出すか夜露でといた筆を絞りぬ



7


まだ生えぬあらら惜しやと軟き歯でりんごを齧るややこにわらう



8


花かむり微笑み浮かぶ泉から雨は降り出しもうすぐ五月

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