主人公の吉田はその日、会社の先輩に振られる。五年越しの想いが無残にもはじけ飛んだ吉田はやけ酒を飲んだ帰り道、電柱のところで一人の家出女子高生、沙優と出会うが……。
家出女子高生との同棲――。正直、扱いの難しい題材だと思うのですが、そこは実力のある作者様、安易なエロに走らず、軽妙なタッチでコミカルな物語に昇華しています。
そして何より、個人的には主人公の好感度が高い。
言葉使いも含めて今時の若い男性なのだが、極めて常識人であり道を外すことはしない(女子高生と同棲してるじゃんと言われたら、それまでだが)。
沙優に対しての保護者のような優しさも、読んでいるこちらがこそばゆくなるほどであり、とても出来た人間だ。私にはマネできない(笑
そんな等身大の主人公に共感しつつ、沙優の感情の変化に心を揺り動かされ、気づけば最新まで読んでいました。先が気になって仕方がないっ。
それにしても読みやすい。個人的にはWEB小説のバイブルとして手元に置いておきたいですね。
最後に――沙優ちゃん、可愛い♡
ナメてました。完全に。
いやね、もうあらすじ読んだ時点で、社会人と家出JKとかいう現代じゃ無理のあるガバガバ設定で、なんかいい感じにいちゃいちゃしてちょっとHな感じの物語にするんやろ?
とか思いながら、半笑いで読み始めたんだけども。
なんかもう設定とかどうでも良くなった。
沙優ちゃんがものすごく可愛い。
そして、ものすごく弱い。
主人公の吉田も、人格者かと思いきや弱さをしっかり持っていて。
この二人だからこその展開があるんだな。
会話の独特なテンポもいい。
大変引き込まれた。
ラブコメと言うにはコメディー成分が少ないようにも思うけど、現時点での完成度はものすごく高いと思う。
恋愛小説好きな人は、必見。
いやでも、吉田さんすげえと思うわ。
俺なら絶対沙優ちゃん食べちゃうもんなぁ。
据え膳食わない主人公。いいと思います。