北風と太陽のその後

aki

北風と太陽のその後

旅人は東京にいた。


北風は太陽に言った。

「あのときの勝負をもう一度やらないか?あの旅人の着ものを脱がせたほうがが勝ちだ。」

太陽は勝負を受けた。


まずは北風が初めにやった。

北風は思いきり強く、「ビューッ!」と、吹きつけた。

しかし、一向に旅人に風は訪れない。

なぜだろう。


次に太陽は旅人をぽかぽかと旅人を照らした。

しかし、旅人は一向に暑がらないで、心地よさそうに過ごしている。

なぜだろう。


北風は太陽に言った。

「この勝負は引き分けだな。」

しかし太陽は首を横に振った。


北風は「そこまで言うなら、決着がつくまで勝負だ!」と言った。


あれからどれぐらいの時が経ったであろう、相変わらず北風は旅人を思い切り強く吹きつけ、太陽はギラギラと旅人を照らし続けた。

しかし、旅人は相も変わらず快適そうだ。


あれからどれぐらいの時が経ったであろう、相変わらず北風は旅人を思い切り強く吹きつけ、太陽はメラメラと旅人を照らし続けた。

しかし、旅人は相も変わらず快適そうだ。


ある日、北風は吹くのをやめた。

そして、それから北風が吹くことは二度となかった。

太陽は相も変わらずずっと旅人を照らし続けた。


あれからどれぐらいの時が経ったであろう。

旅人や旅人たちの周りが騒がしそうだ。

どうしたんだろう。


あれからどれぐらいの時が経ったであろう。

旅人は服だけを残し、消えてしまった。

他の人間たちも服だけ残してどこかに消えてしまった。

旅人や旅人の周りの人の頭上には、大きな透明な割れたドームが残されていた。


「今度は人間のほうが、私たち環境を力ずくで変えようとしていたけど、長くは続かなかったみたいだね。本質はいつの時代も変わらないなあ。」

誰もいない乾いた地上を見て、太陽は空からほくそえんでそう言った。

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北風と太陽のその後 aki @aki0708

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