@moron

第1話 教官



私は小さい頃パイロットになりたかった。


昔から得意なことも特別好きなことも何も無かった私は、ただ、なんとなく、将来について考えている時に読んだパイロットのマンガが忘れられなかった。






気づいたらパイロットになるための訓練を受けていた。





??



私は今小さい椅子に座っている。

何故かその椅子にはキャスターが付いていて…え?


今まで飛行場で飛行機の離陸の様子を見学したりしていたのに。ん?これは最後の訓練のようだ。



目の前には小さい山。


たとえではなく本当に小さい。膝くらいの高さだ。


キャスターつきのちっさいこの椅子に座って見ると私のアバラぐらいの高さだ。


後ろには教官がいる。教官?まぁいいや。


「ほら、こげ」教官が言う



私は大人しく、そのちっさな山に向かってこいだ



山は上ればもちろん下っているもので、私はいきなり重力に引っ張られた。



2個目のちっさい山は下る坂がほぼ直角だった。まぁ、私の見た感じだったのだが



てっぺんに来てその坂が怖くなった私はつい足を立てて坂をまたいでしまった。


もちろん教官は怒った。


「怖いです」

「パイロットになればこんなの日常茶飯事だ」



??

んなわけあるのか



まぁ、いい、私は2個めのちっさい山をスルーして最後の山に向かった



最後のは普通に通れた。



ザザー、ピッ


教官のトランシーバーに連絡が入った音だ


私が小山を登っている時もなっていたが最後のピッはなかった



「あと何人だ」トランシーバーから怖そうな声が聞こえる



「今最後のひとりです」教官が答える



えー、私最後だったの、真ん中ぐらいだと思ってたのにショックだわー



心中で思う、口にはできない。怖いから。



「準備室でみんなとお前の指導者が待っているから、すぐにいきなさい」



えー、まだ動くのー、寝たいー




そんなこと言えるわけがない。

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