第五話 立ち上がれ、日本

 プラットフォームに乗り込んだ乗組員の多くは、社会によって、よほど酷い仕打ちを受けてきた。ほぼ全員が進学校の、それも中高一貫の男子校出身者だ。僕もその一人、女子高生について伝聞したことはあっても、目にしたことはない。徹底した男女別学、エイリアンから女子高生を保護する各種施策のせいで、僕らは女子高生を知らない。

 女子高生エイリアンの卵を破壊すれば、当然、女子高生エイリアンは地上に現れない。だが、女子高生がいなければ青春は謳歌できない。地上を女子高生エイリアンで埋め尽くす、若人の夢の卵を、僕らは破壊しようというのだ。人類の命運を背負う使命のように思え、同時に、天に唾する行為のようにも思っていた乗組員も、今思えば決して少なくなかったのかも知れない。


「今、僕らは戦友であり、親友であり、家族であり、パートナーである。秘密の指令書に従うべきか、あるいは、核融合爆弾の起爆を試みるか――運命を共にしてきた仲間たちに決断を委ねたい。」


 各セクションのリーダーは一度、乗組員に決断を伝えに担当セクションに戻り、再び管制室に集った。その間、僕は幾度となく乗組員の雄叫びを耳にした。


立ち上がれ、日本!エレクト ジャパン

「エイリアンと接触し、最後まで戦うぞ!」

「玉砕覚悟の肉弾戦だ!」

「疲れたオッサン舐めんな!」


 最早、我ら抜刀隊に必要なのは、僅かなアイコンタクトだけだった。

 緊急事態用の電子キーを管制装置に通す。管制室にアラートが鳴り響き、艦長デスクの前にガラスケースに包まれた二つのボタンが出現した。二つのボタンが同時に押し込まれると、アラートが鳴り止み、通常灯から非常灯に切り替わった。

 ついに、非常用ハッチが開かれた。


さあ、来い、女子高生エイリアン

 いいや、来てくれ、女子高生エイリアン

  大深度地下女子高生祭りを、いざ!!

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大深度地下女子高生祭り やおいやおい @yaoi801

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