事故により幼い頃の記憶を失った少女、マナカ。歌に救われ、歌手になることを目指す、女子高生。この物語は、そんな彼女を主人公とした一人称で紡がれる。
過去を知る幼馴染との出会い。ボーカルスクールでの葛藤、関係性の変化。友情、挫折、嫉妬……それらがテンポよく描かれ、とても読みやすく感情移入しやすい。
余談ですが、Little Glee Monsterが好きな方には、この物語がより一層楽しめると思います。なぜってそれは、エピソードタイトルを読むだけでもわかる人にはわかるでしょうし、本編を読めばさらにわかるでしょう。理由は……読んでからのお楽しみです
事故で記憶を失った主人公。唯一彼女を支えているのが歌と言う存在。
歌手になるために日々努力する彼女ですが、もちろんその道のりは平たんなものではありません。
選抜メンバーを巡る争いや嫉妬、壊れる友情。
現れる自分よりも実力が上のライバル。
一人一人が歌と言うものに向き合う姿勢が違い、それぞれが歩む道のりの過酷さをよく表現していると思います。
この物語では歌と向き合う事と、思いを表現するためにも主人公の記憶と言うものが重要なポイントとなってきます。
唯一主人公の過去を知る幼馴染との再会。そして記憶を取り戻すために彼も奮闘します。
友情、恋、嫉妬、絶望、喜怒哀楽の多くの要素を抱えながら物語がテンポよく進んでいくのは飽きがなく、物語の文字数を感じさせませんでした。
幼い頃の記憶を失った主人公。彼女は絶望の中で、偶然ある歌を聞く。
その歌に激しく心を揺さぶられ、生きる希望をもらい、歌手を目指すことを決意して……。
という、王道的なストーリーではありますが、その内側には大きなパワーと純粋な想いが秘められています。
"人生は一度きり"だからこそ、大きな夢を追って、少女は歌います。
時には、友人との仲違いや、厳しい批評を貰うことも……。
それでも、"いつかこの涙が"輝きに変わることを信じて、歌うことが"好きだ。"という真っ直ぐな気持ちで、彼女は歌い続けるのです。
読者の背中を押し、"明日へ"向かう勇気を、逆境に立ち向かう強さを、この物語は教えてくれます。
文字が歌声となって、読者の胸に力強く響くような、そんな素敵な作品でした。
うん、"好きだ。"
記憶をなくした少女が、唯一生きる希望として、拠り所とし続けたもの、それは「歌」だった――。
この物語は、主人公であるマナカちゃんの一人称で語られます。
歌手になりたいという夢を追い、ひたむきにボーカルスクールに通う姿。
そこにあるのは、挫折や成功、葛藤。
親友や幼馴染との揺れ動く関係性も含めて、それらが非常にリアルに描かれるので、
読み手はその成長を見守り、喜びや悩みを共に感じることができます。
物語の展開のさせ方がとても巧く、
スクールで巡ってきた大きなチャンスや、マナカちゃんの記憶のゆくえ、さらには幼馴染との関係は!?
などなど、次々と気になることが目白押し。簡単には行かないハラハラドキドキ、目の離せない展開は、途中で飽きることがありませんでした。
そして忘れてはならないのは、実在する女性ボーカルグループ、「リトルグリーモンスター」、略してLGMの存在。
作者様の愛を感じる、臨場感溢れる素敵なライブシーンも必見で、私はそこで思わずLGMの曲を聴きました。
どういったグループなのか。そして本編にどのように絡んでくるのか気になった方も、ぜひぜひ読んでみて下さい。
叶えたい夢があるならば、
この物語に、あなた自身もきっと、勇気をもらえるはずです!