伝説の侍 スシばやし次郎
edo
第1話
「サー、肩をモンでおくれ」
ホっタテ小屋のエンガワで老人の肩を揉む娘。娘は祖父とふたり、サザエあって暮らしていた。
そこに「カリフォルニアロール一家」のアボ・カドが、あまりのカズノコ分を連れてやってきた。
「いいねえ、じいさん孝行カイ? せツナい気持ちにさせられるねえ。おれの頭はコーンとやられたよ」
「これは、アボ・カド様。いっタイ何のご用ですかな?」
「本当にこのじいさんはおめでタイ! アガリのことに決まってるでしょ!」
「うちにはとウニお金がないんです…もうどうしタラいイカ…ヒカリモノも全部質屋にいれました…」
「そうカイ。金がないなら、イカしちゃおけない。おい、おまえら、この爺さんをタタキ出して、タコ殴りでコンビーフにしてやれえ!」
子分たちが老人につかみかかる。
「ところで娘、おまえはわしといいことしないカイ? 路頭にマヨうのもかわいそう。アーン、キモいだなんて言わないで! サバサバした女子はこれでも好みなのよ」
そこへムラサキの着物を着た侍があらわれた。カレイに登場したのは、伝説のスシ侍「スシばやし次郎」であった。
「あんたらホンマ、グロいことをしなさる。みんなガリガリじゃないか」
「なんだおまえは? いきなりしゃシャリでてくるな!」
アっサリとした返答だった。
「恨みをハラスため、コノワタしが成敗いたす」
「おまえみたいなシーチキン野郎にまけるわけがなーい!」
アボ・カドの子分たちが次郎に飛びかかった瞬間、次郎の刺し身包丁がキラリと光った。アボ・カドと子分の体からはアカダシが流れ、ぱっくりと赤身がのぞいていた。
あまりの男ブリに目をトロんとさせた娘が聞く。
「お侍サン、マってください。スシスシ大スシ超愛している! お名前は?」
「名ノリ出るほどの者じゃございません。困ったことがあれば、すぐにシラスてください」
去っていくスシばやし次郎を娘はいつまでも見つめていた。
……ネタがヒラメかないので、この話は終わりである。
伝説の侍 スシばやし次郎 edo @edoneko
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