そして、ゲームは面白いのか? 面白くないのか?

 同作者様の同名異作を含んだ感想になります。今作第2話を読んで、いてもたってもいられず……。

 内容としては、100年後の世界に生きるゲーム好きの赤野先生が、低評価を受けたレトロゲームのレビューを行なうというものです。

 非常に着眼点がユニークであり、人工知能やBMIが発達した未来では、現代のゲームはほぼ古典扱いです。そして、100年の間に開発された技術を利用して作られたゲームのなんと未来的なこと。

 それでいて、技術は進歩しているはずなのに『評価の低いゲーム』はなくなることがない。むしろ、今の私達ですらその評価に納得できてしまう。
 作り手が人間である限り、そしてプレイヤーが人間である限り、いくらでも駄ゲー扱いされる作品は生まれると言わんばかりの状態です。

 そういったゲームに着眼点を見いだすことで、未来技術の発展と失敗を想像させ、時として話中で不穏な未来予想図をほのめかしています。
 ただ、話の根底にはレビュワー当人の深いゲーム愛が窺え、その低評価なゲームがいかに面白いかを語ってくれているのがこの小説です。

 それで赤野先生、結局ゲームというものは面白いのでしょうか? 面白くないのでしょうか?