ハンバーグ寿司、という存在

ころっけぱんだ

ハンバーグ寿司、人がそう呼ぶ寿司がある

 ハンバーグ寿司。回転寿司には人がそう呼ぶ寿司がある。


 念のため言わせてもらうが、寿司である。シャリにハンバーグを乗せたものが寿司として回ってるのである。


 冷静に考えれば今の文章は何だ。ふざけているのか。

 知らない人に教えたら馬鹿にしとるんかと怒られるだろう。そして実際に見ても何だこれ、という感想が頭の中に残ってしまう。

 ふざけた存在である。回転寿司における『ナマケモノ』だ。


 けれども、ハンバーグ寿司はメジャーな存在。実際、大手回転寿司四社の内、三社がメニューにハンバーグ寿司を載せている。三社のCEOが認めているのだ。ハンバーグ寿司という存在を。


 しかしながら、この寿司を手に取るとどうなる。集団で回転寿司店に来た際に、ハンバーグ寿司を手に取るとどうなるか。

 間違いなく馬鹿にされる。味音痴やお子様舌といった罵声が飛んで来るやもしれない。酷い場合は人非人と見なされ村八分にされることも少なくない。

 残酷だが、これが世間のハンバーグ寿司への評価だ。


 だが、ハンバーグ寿司は生き残っている。今のような厳しい状況であるにもかかわらず。それは何故か。


 美味しいからだ。


 こう書くと筆者の味覚が異常なのだ、と言う人がいるであろう。

 けれども、料理というのは厳しき世界。ましてや先ほどの巨大資本は、人気のないメニューを固定化させるような馬鹿ではない。

 ご存知の通りハンバーグ寿司にマグロのような不動の地位もコハダのような渋さもない。ならば、彼が生き残った理由は自然と導かれる。


 美味しさだ。


 何を馬鹿なと人は言う。狂ったのかと人は言う。

 だったら教えてほしい。ハンバーグ寿司が生き残った理由を。

 思いつかないなら、気づいたのだ。ハンバーグ寿司が美味しいことに。

 そしたら認めてあげようよ。彼も寿司の仲間なんだと。

 ハンバーグであろうと、下にシャリがあるならそれは寿司。


 だから若者よ、書を捨て回転寿司に行こう。

 そして手に取ろう、ハンバーグ寿司を。

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ハンバーグ寿司、という存在 ころっけぱんだ @yakisaba6

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