双六

 君は振り出しに立っている。手元にある賽子さいころを転がして、出た目の数だけ道を歩いてく。

 君は最初、親と一緒に歩いている。もう少し進むと親から離れて、友人とともに歩いたり、誰かとぶつかったり。共に歩んでいた人が離れることもある。もっと進むと君は一生を共に過ごしたい相手を見つける。

 時には「ニマス進む」マスに止まるだろうし、またある時には「一回休む」マスにも止まるだろう。それでも君はゆっくり進んでく。

 そしてある日、君の目の前に透明な何かが立ち塞がる。道はまだ続くのに、他の人は何事もないかのように進むのに、君は進めない。

 君は驚き、戸惑ってその何かが何であるかを探る。そうして君はそれが透明な坂であることに気付くのだ。君がその坂を上っていくと、そこには最後の一マスがある。

 君はそのマスを見て、少しだけ笑って、そして振り出しに戻るそれの上に立つのだ。

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