第12話 非日常から日常へ

朝、目がさめる。

自分で着替えて、車椅子に乗る。

前なら既に満員電車の中だろうか。

あの押し込められた空間が今は、懐かしい。


簡単な朝食を取り、コーヒーを片手に机に向かう。


朝のニュースはこんなにも情報を詰め込んでくるのか。アナウンサーの朝はかなり早いのだろう。


自宅での療養と仕事も落ち着きつつあった。


仕事の合間に出来る家事をする。


それが自分にとっての一番のリハビリであり、健常者であった時の日常へ近づけるための一歩であった。


ただいまー。


玄関から声がする。


夕飯のおかず買って来たよー。一緒に食べようー。


まながいる風景が日常になりつつあった。

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右半身のきみへ @2017kake

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