第11話 調整
自宅療養生活も落ち着いて来た。
相変わらずぼくは四足歩行だが、トイレや車椅子、ベッドの乗り移りなど少しづつ自分で出来るようになって来た。
そんな生活の中、訪問者が来た。
会社の上司、鈴原部長だ。
『大変だったな、佐藤』
久々の重低音ボイスが懐かさを呼ぶ。
色々とご迷惑をおかけしました。
今までの経緯を話し、今回の要件を聞き出す。
『佐藤、会社までの通勤が現状は厳しいだろ。だから、在宅勤務で仕事の調整をしている。
おまえの意見はどうだ?』
ありがたい話だった。
どうやら、仕事は失わずに済みそうだ。
良かったね、たける。
心配そうだったマナの表情が和らぐ。
『佐藤、いろいろ大変だったことは分かっている。失ったものは計り知れないだろう。だからこそ、今あるものを大切にしろよ』
まなと目が合う。
部長はコーヒーをさっと飲み干し、帰っていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます