「嫌いです」
@freesia214
第1話
「嫌いです」
彼女がそういう度に僕は何度も凹み、何度も謝った。
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告白の時も
「○○ちゃん、好きだよー」
「そんな軽くいう人嫌いです」
「あぁぁ!ごめんなさい!もう軽く言いません!」
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付き合ってからのデートも
「さて、これからどしたらいいかな…なんも考えてねーや」
「そんなテキトーな人嫌いですよ?」
「もぉぉ…ごめんって〜次は気をつけるからさ!」
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喧嘩した時も
「○○ちゃんがあんな風にいうからじゃんか!」
「なんでそんなに責めるんですか!もう嫌いです!」
「あっそ!!!!じゃあもう知らない!!」
「やっぱりごめん、言いすぎた。許して?」
「ふんっ、嫌いです」
「そんなぁ…ごめんなさい〜」
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だけど本当は気づいてたんだ。
君は「嫌いです」をいう時にいつも少しだけ微笑んでたよね。
笑ってるように見えて、それをからかったらまた
「そうやってからかうの嫌いです」なんて言っちゃってくれるし。
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「そんな君のことが、君の『嫌い』な僕は大好きだよ。指輪、受け取ってくれますか?」
「………ほんと、いつもテキトーだし、からかってくるし、軽い雰囲気だし………こうやって、びっくりさせてくるし……」
「嫌いです…」
そういう彼女の顔は今まで見たことないほど眩しく、差し出した指輪がかすむほどの笑顔だった。
「嫌いです」 @freesia214
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