【図書館で夜明かし】

あの青い背と黒い背の絵本のあいだで眠りたい

色あせたほこりっぽい図鑑の厚みにさみしさを重ねて


錆びついた第三書庫の鍵はヘアピンでは開けられないし

つるつるの木目をひとつひとつ数えていくのは羊を数える以上に手間だった


ひそやかに息をしている紙の束たちと呼吸をあわせて

カーテンのない窓から見上げた月は、とくべつに綺麗だったよ

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