【恋、あるいは恋。】
「これからも友達でいてね」の言葉を、悔しくて飲み込んだ午後七時。
君からの「ご飯でも食べていく?」が、余計に胸を軋ませた。ぎこちない笑みで振り切って、帰りのホームへと繋がるエスカレーターに飛び乗った。
振られた自分が可哀想で泣いたのか、恋人になれなかったのが悲しくて泣いたのか、それは今でもわからない。
吹っ切ったつもりでも時折沁みる傷を思い出す朝。
あの時君に必要だったのは、自立した人間だったのだと、今ならはっきりとわかる。
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