アプロディーテー






やっぱり肌はすべすべで綺麗。

「ゆ、優希...」

要の口が小さく開く。

「脱がせて」

「...はいよ」

薄いTシャツを脱がしてから短いズボンを脱がす。久しぶりってほどじゃあないけど黒い下着姿はやっぱり似合う。

「...あんまり見ないでよ」

「綺麗だったから...」

要が恥ずかしそうにうつ伏せになる。だから後ろからブラのホックを外す。

「胸大きいからうつ伏せ痛くないの?」

「痛いけど...って、ちょっと」


うつ伏せになる方が悪いよ、パンツを下まで下ろすと綺麗なお尻が見える。

「...今日は後ろからがいいの?」

「.....」

黙ってるってことはOKかな。テーブルの上に置いてあるゴムに手を伸ばすと要が俺の手の上に手を置く。

「ん?どうしたの?」

「.....」

「...えっと、...したくなかった?」

「う...あの...」

要が顔を真っ赤にしながら手を退かさないでいる。


「...ゴム、つけなくていい」

「え?」

えっと...それは。

「だ、だから、そのまま欲しいって言ってんの!」

顔真っ赤にしながら怒ってるけどこの子自分がなんてこと言ってるのか分かってるのかな。

「あ、あの...要...?」

「...いやなの?」

いやいやいや、そんなわけないじゃん。前からそうしたかったというか今すぐそうしたいけど。


「今すぐじゃなくて...いや、今すぐには...結婚の方が...したい」

うわ、俺かっこ悪。

ムードなんかないし顔真っ赤だし。

「え...」

それに要も唐突すぎて固まってるし。指輪とかも用意してないし。


「...明日、指輪見に行くぞ」

「要?」

「だから、私も結婚したいって言ってるの!」

怒ったような言い方だけど要めちゃくちゃ幸せそうな顔しながら泣いてる。

「あーもー...要がいきなりそんなこと言うからヤル気なくなっちゃったよ」

「...じゃあ明日指輪買ってからしてくれる?」




アプロディーテーという愛と美を司る女神様は自由奔放で浮気性、どんな神様であろうと愛を一身にうけられなかったらしい。そんな神話を小さい時に聞いたことがある。その時は自分を好きでもない人なんか好きになれないって思ってた。

でも俺から彼女に心を奪われ、生まれて初めて人を愛していることが辛くて幸せなことだということを教えてもらった。

もし彼女がアプロディーテーのように自由奔放で浮気性で俺に愛が向けられなかったとしても俺はただ彼女のために愛を叫び続けよう。

だって彼女が向けてくれる笑顔は俺に幸せをくれるからね。










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Aphrodita @maaaaple

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