2人だけの週末






大学なんてあっという間でもう俺は23歳、社会人二年目になり、春に会社で後輩もできた、

「優希さん、私引っ越してきたばかりでこの近くのお店知らなくて...よかったら晩御飯案内してくれませんか?」

「あぁ、ごめんね。夜はちょっと予定あるんだ。また今度でいいなら昼に誘って欲しいなぁ」

で、自分で言うのも変だけど俺はまだモテる。でも前みたいにモテることが嬉しいとか変な優越感とかは無くなった。

だって俺には。



「ただいま」

「あ、お帰り、まだご飯出来てない!」


玄関を開けたらふわっといい匂いがする。

「要も仕事で疲れてるんだから別に毎日作らなくてもいいのに...」

「明日は土曜だからゆっくり食べたいだろ?それに朝早く起きる必要もないし」

「...要が無理じゃなきゃ俺はこのまま朝もお弁当も夜も要が作った料理が食べたいな」


ジャケットを脱いでネクタイを外してハンガーにかけてから料理をしてる要に後ろから抱きつく。

「こら、作りにくいだろ。...疲れたの?」

「うん、疲れた。...ねぇ、明日休みだから今日は...」

「.....いいよ」

要が少し顔を赤くしながら頷く。

「まだ30分くらいかかるから先にお風呂入って」

「お風呂も一緒にがいいな」

「もー...、終わったあと一緒に入ればいいだろ」

「それもそうだね」

自分で言うのも何だけど大学生の時より要依存症になってる。ていうか大学は一緒だったけど要が卒業してから職場はちがうからなぁんか周りに変な男が寄ってこないかとか、変な目で見られてないかとか、何より仕事中は会えないから寂しいんだよ。




「...ていうかそのロック画面やめろ」

ご飯も食べ終わって要がお風呂から出てきて俺がスマホいじってるの見えたみたい。

「え、だって可愛いじゃん、要の寝顔」

「恥ずかしいの!」

スマホを奪おうとする要の手首を掴んで押し倒す。

「...もっと恥ずかしいのしてるのに?」


そのまま要の脇腹をサワサワとくすぐる。

「ひゃっ、う...こらっ」

「人のスマホの写真消そうとする子にはお仕置き」

シャツの中に手を入れて臍に指を入れてスリスリと撫でる。

「ふぁあっ」

「...ていうかこの後脱がされるのわかってて服着てるの?」

要がそれを聞いてかぁっと顔を赤くしながら恥ずかしそうに顔を隠す。

「.....だって脱がしてくれるじゃん」

毎回思うけど急にこんなこと言うのずるいよ。2人で暮らし始めてから1週間に1回やるかやらないかぐらいの頻度だから余計にムラムラしちゃう。

「...もー、またそんなこと言って」

気のせいかも知れないけど要と俺が大学を卒業して二人暮らし始めてから要が余計に俺に甘えてくるような素振りが目立つようになってきた。

「お着替えも自分でできないの?」

「...大学卒業してから優希と昼間会えないし、その...優希モテるから不安で」

うわ、俺と同じ心配してるし。

「俺も要が変な目で見られたりしてないかとか不安なんだけど」

「え?私は別にそんな目で見られたりしてないよ?」

「...心配、俺も他の女の子と遊びたくなんかないしそんなんよりかは早く帰って要いじったほうが楽しいもん」

浮気とか二股とかこんなに可愛くて大好きな人がいるのに出来るわけないしヤルなんて絶対やだし要以外のなんか見たとしても勃たないよ。


「もとプレイボーイが何を言うか」

要がムッとしながら俺の脇腹をくすぐる。

「っ...、許さない」

仕返しのように要の脚の付け根をコショコショと撫でる。

「あっ...!」









  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る