第9話 回想2
歯を食いしばりながら、今日は10セット目、つまり300回の腕立伏せに耐える。
その時、女子部長と試合をした時のことを考えていた。何故負けたのか。
最初の1ゲーム目は、オレのサーブからだった。
その日は調子がよく、ファーストサーブが全て入っていた。
気がつくと、40-0で、そのままゲームをキープした。
チェンジコートをして、女子部長千夜のサーブ。
千夜のサーブは、女子ということもあり、それほど速くはない。
的確にコースをついては来るので、リターンエースは取りにくいが、
球種も少ない。
このゲームは、かなり競った戦いになり、デュースの連続になりながらも、
しかし、どうにか女子部長千夜がキープした。
続いて、オレのサーブ。1ゲーム目で長期のラリーになったせいで、
体力を使ったからか、ファーストサーブは7割程度に落ちた。
とはいえ、7割もあれば、勝てるのがテニスだ。
40-30までなったが、最後は抑え、ゲームした。
この時点で、2-1。正直、オレは勝てると思っていた。
次のゲームは、コートチェンジを行い、女子部長千夜のサーブ。
オレは時々リターンエースを狙ってみたが、うまく行かず、
結果は15-40で、取られた。
そして、5ゲーム目。思えばここが分かれ目だった。
オレのファーストサーブが入らなくなったのだ。
仕方なくセカンドサーブを打つが、女子部長千夜にとって、
ストロークの打ち合いは得意分野。
長いラリーの後、取られる展開が増えた。
オレはキープもままならなくなり、気がつけば2-5。
最後のゲームに突入しようとしていた。
オレがテニスで女子に負けるはずがない @aqua3189
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