花と弔いと時と言葉とミステリー

とある『秘密』を持つ葬儀社で働く主人公が、弔いを通じ、様々な人と出会い、謎を解いていくという流れです。平明にして引力のある文章、リアリティある人物造形と会話、ストーリーを引っ張っていく謎と小道具の存在。そして、花と花言葉が彩りを添える作品世界――。読み始めると、時間を忘れて読み耽ってしまう作品です。第一章PART11で明らかになる『花弔封月』の意味、ぜひ読んで感じてほしいと思います。

読了したので、レビューを加筆します。

それぞれの章で語られる登場人物の想いと過去、そして彩りを添える花と花言葉。一章一章に魂がこもっていると感じました。そして、作者さんの生と死への真摯な想いが伝わってきます。ラストに向けてそれぞれの想いが語られ、ストーリーが集約していく構成には特に心を動かされました。ぜひラストまで読んでほしい作品です。美しくて切ない、心に響き、心に残る作品でした。

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