ランキングでタイトルを拝見して、ちらっと覗くつもりが冒頭からギュッと掴まれ、そのまま最後まで一気に読みました。漢字好きなのでカタカナの長い名前は苦手なのに(笑)、出てくる音楽家も殆んど知らないのに。
門外漢だからとレビューをためらっていましたが、久々に再読してみてやっぱり面白い!
自分がこの時代にもっと詳しかったら、この作品の魅力がもっと分かるのにと悔しく思うのですが、それであってもこの美しい文章と、この作品の雰囲気(私にはうまく説明できません)には酔いしれます。
この時代に詳しい方はもちろんそうでない方にも、この作品を味わっていただきたく思い切ってレビューしてみました
スクリャービンは、ラフマニノフに比べて日本での知名度は高くないと思いますが、とても個性的な作品を残しているそうです。
どんな人生を送ったか、興味をそそられ読み始めました。
サンクトペテルブルグ、モスクワの音楽院の発展のおかげでしょう、チャイコフスキー以降ロシアから多数の演奏家作曲家が世に出ました。
しかし、革命に向かう政情不安が続き、音楽家たちは次第に時代に翻弄されていきます。
登場人物から、当時のロシアの国情、音楽界の重苦しい空気感が伝わってきます。スクリャービンの神秘主義への傾倒は、このような時代の影を映しているのかもしれません。音楽に触れたくなってきました。