影さえ消えたら

作者 わたなべめぐみ

「現在」「過去」「未来」  私が今いるのはどこ?

  • ★★★ Excellent!!!

「切れない鋏」のレビューにも書かせていただきましたが、この作品もやはり登場人物の「息遣い」が感じられ、圧倒されます。頭の中に、映像として映し出され、登場人物が「生きて喋っている」と感じされられるのは、丁寧な描写や表現、会話の妙でしょうか。「現在」「過去」「未来」の糸がからまって、どうやってほどけるのか、もしかしたらほどけないのか、まだまだ謎が多く、目が離せません。

1月末まで1話ずつ更新ということですので、毎日、息を飲んで展開を見守る楽しみもあり、おすすめです!

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読み終わって…。

一番、強く残っているのは、文中の言葉を借りれば「綾女」の「生命のエネルギー」です。いじらしく愛らしい部分、弱さ、どうしようもない憎しみ、悲しみを抱いた部分、すべてひっくるめて「人」として魅力的に感じました。

タイムスリップ、という非日常の中に、寄り添う現実感。どの時点でも、懸命であるからこそ、傷はできる、「それでも生きたい」ー。その言葉がいつまでも余韻として残っている、そんな素晴らしい作品でした。

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