彼は観測する、ゆえに我あり――

この物語に置いて、誰が誰であるということはさしたる問題ではない。
重要なのは、では〝なに〟が、誰を観測していたかということだ。
観測者の理論ではないけれど、おおむね世の中は見て、感じて、定義することで成り立つ。
私たちが観測するから彼らがあるわけだ。
では、我々はどうして存在する?
いったいだれが――観測しているのだろうか?

その理解すべきではない真実に到達した時、全ての前提は脆くも崩れ去る。

その過程を描き出す、みごとな作品!

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