第4話 モリモリマッチョマン。

ねえちゃんが県下一番の進学校に進学し、大学も難なく合格。



そして俺はというと頭を真っ白にしてラグビーに取り組んでいた。中学校でラグビーに出会い、その魅力に取りつかれてしまった。




来る日も来る日も全力で走った。



ラグビーは色んなことを教えてくれた。よく勘違いされることがあるが、ラグビーは力だけではない。 とにかく敵も味方も周りのみんなの性格をよく観察しておかなければならない。


敵だけでなくチームみんなの動きや性格を読まなければならない。 アメリカンフットボールのイメージがつねに付きまとうが、俺はラグビーこそが日本の村社会の仕組みをよく表しているように感じられて仕方がない。


みんなぱっと見は、短く刈りそろえられた髪型のようにさっぱりした性格をしているように感じるが、目だけは常にキョロキョロしている。


俺ももともとそういう性格だったのだろう。気と身体を全力でフル回転させる青春を楽しんでいた。



おかげで気配りも身体も筋肉モリモリマッチョマン。練習がたまのオフの日は彼女とデート。彼女も俺と同じくモリモリの水泳マッチョ。



ある日、彼女とファミレスにいったとき、遠くの席でじいちゃんが座っているのに気づいたときはびっくりした。


こちらには気付かず、一心不乱にパフェに食らいついていた。 俺の甘党はじいちゃん譲りだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ニュートンを信じるわたしが神を信じるきみに論破されるはずがない 本間俊スケー @nyaruto

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ