童話症候群

……この物語に終わりなどあるだろうか。

おかしな収集に執着した哀れな青年の身勝手な人生に付き合わされた、この五人はどうなったでしょうか。

永遠にこの牢獄の中で過ごすのでしょうか。

誰も知らない。

誰も見つけない、見つけられない。

罪を持つもの、何も得ていないもの、依存したもの何もかもどうすることもできない。

彼が死んだあともこの先彼らはどうなる。

そんなの誰にもわからない。


外に出たって良いことなんか一つもない。

差別、虐待、殺人、どんなにルールで縛ろうとも、この世界は犯罪だらけだ。

どんなに罰を与えてもまた繰り返す、くだらない感情や身勝手な話のせいで、だったら、このままここにいた方が彼らにとって幸せな事なのかもしれない。

誰も彼らの知らないのだから同じく彼らもこの狭い箱の中でしか世界を知らないのだから……

何も変わらない、無個性、疑似人魚、疑似アリス、疑似髪長姫、疑似灰被り、どうせ何もかも偽物。

ただ彼は、人と違うものが欲しかった、無個性で感情が薄い人として不完全な彼はきっと空いた何かを別のもので塞ぎたかったのだろうか。

結果的に、酷い終わりを迎えることになったが、こんな話誰も聞きたくないだろう。

誰も相手にしたくないしくだらない茶番劇はもう終わりしようか。


さてさて、この物語は、ここまでだよ。


中途半端?

この先彼らはどうなるの?

ハッピーエンドやバットエンドでも期待しているのかい?

いやいや、この話に完璧な物語なんてないんだよ。

どれも終わりがあるから、綺麗に片付けられる、でもそれだけが真実ではない。


本当は、どの物語も綺麗に完結なんてありえないのさ。


では、そろそろ時間だね。

またお会いできる日を楽しみにしてるよ。


童話の世界のように綺麗なものはない、ここまで無意味な話は、他にあるだろうか。




童話症候群 The End,


thanks for you!!!




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童話症候群 雨音 @ameyuki15

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