無個性な収集癖


皆同じ、皆平等、同じ同じ

人と違うものを集めようが探そうがそれは周りだけで何処かで同じものが存在する。

つまらない

飽きる

全部同じ

皆誰かしら知ってる。

そんなのつまんないよね。


だからね。

誰も知らなそうな、誰も思い付かなそうな事を思い付いたんだ。

他から見ればイカれたのかとか人じゃないとか言われそうだね、でも他人と同じでくだらないことするなって言うなら、最終的にはこうなるよね。

だってこれなら誰とも被らないし皆合意の上でしてるんだから、何の心配もいらないはずだ。

どんなに珍しいシリーズでも、1から10全て集めないと意味がないよね。


どんなに平凡でいくらでもスペアがあったとしても揃えなちゃコレクターとは言えない。

だから、始めにそれらを保管するための箱が必要だ、でも、大きな入れ物は中々見つからなくて「物」よりも大変だった。

使われなくなった廃墟を見つけて僕のコレクションを見張る役人を適当に作って保護を怠らずに綺麗にガラスケースにしまった。

精神病棟、孤児院いろんな建前を置いた。

最初は、少年だった……

それは、DV家庭で母親が夫と離婚するまでの間預かってほしいとの事に依頼だ。

ちょうど1が欲しかった少年には傷も何一つない綺麗な状態であったため簡単に受け入れた。

適当に後から母親が迎えに来たときは、自殺でもしたと言い追い返した。

少々彼は、自傷辟易があって手や口に拘束をし綺麗な状態を保っていた。

それから、珍しい兄弟も見つけた。

本当は、弟だけが欲しかったのに、兄に感ずかれてしまって、仕方なく雇ってケースにしまう、成長すれば何か変わるもし、この意味を彼が理解してしまったら……

その時はその時だ。

三つ目は、外国で見つけた双子の少女だった。

彼女たちにはどんな風に見えているだろうか、その美しい目の虜になり、まだ理解の少ない外国では、素晴らしい彼女たちの魅力が消えてしまう、調べると実の片親は、病気がちになり引き取れそうにもない。

だったら、それを利用させてもらおう、彼女たちの魅力が消えてしまう前に引き取る事ができた。

四つ目は、当時世間を騒がせた、殺人鬼だった。

彼は酷く悩んでいたようだまぁ、そんな事今の僕には、関係ない。

簡単だ。

五つ目は、中々見つからなかった……しかも中々手に入らなかったのだ。

四つ目よりも、先に見つけたのに本当気分が悪い

手に入らないことで僕は、部屋の中の本棚や机をひっくり返し一晩中暴れた。

予定を変更し四つ目を優先しその後、何度か会いに行ったさいに親が死んでいたことに気づいた。

やっと運がこちらを向いた、すぐに手をうち迎えに行くと彼は視力を落とし身体中には、痛ましい無数の切り傷や火傷の痣が残っていた。

縄で縛られた脚や美しい白い肌は、爛れ黒く変色し手にいれた事は、嬉しいが傷物だと言う点に価値が下がりその晩から、しばらくの間部屋にこもった。

それでも彼の美しさはどのコレクションたちに負けを取ることはなかった。

成長した姿を見るとその美しさは一種の個性にも思えその障害があるからそこ憂いを帯びた最高のコレクションとなっていた。


さて……次は何処にあるのだろうか。

終わりのあるコレクションは、一時的に心が満たされ美しさを感じられる。


でも、終わりは終わり……


その内心が渇きもう満たされる事はなかった。

そしていつまでもその心は空っぽになり、まだ新しく集めても終わればまたその渇きを繰り返す。

1から10を集める。

でも、終わりがなければその渇きに苦しむこともない、だから、僕は俺は私はこの素晴らしい「もの」たちを集めるんだ。


誰かと同じ事を永遠に繰り返しまた集めるを繰り返すそうして自分の欲を満たす、飽きるよりもずっと苦しい。


やっと見つけたんだ。

自分だけの秘蔵コレクション。


…………

でも、思うことがあるんだ、僕は集めることに依存している、一応自覚はしているが、こんな事をしているからだろうか、いつしか僕もそんな風になるのかな……


そうなったら……

そうなったら…………


最高だ。

自分もその一部になるなんて、そうなればずっと苦しむことない。

なんて素晴らしい事だろうか。

無個性な自分さえもコレクションの一部になるなんて……


次はどうなるかな……誰かな、どんな人かな、集めたい、集めたい。

早く早く僕の、私の、俺の……あれ?自分の事なんて呼んでいたっけな。

最近色んな人と関わりすぎて、自分がどんなものだったか忘れてしまった……。


まぁいいそんな事より早く早く見つけたい。

早く早く新しい『コレクション』が欲しいな。



~end~

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