第381話理不尽
警察は異様に彼をしつこく追った。
「別人です、身分証明書を確認してください」
しかし、彼の免許証も健康保険証も信用されなかった。
「その免許証も健康保険証も偽造でしょ?」
「俺たちは認めない」
結局、彼は逮捕された。
彼は目隠しをされ、外された時は、檻のある部屋に連行されていた。
彼の目の前には、いかにも極道が立っていた。
「冤罪って言うんだろ?」と、にやける。
彼は「ここは?」と尋ねた。
極道は嗤う。
「警察のための部屋だ、俺たちは警察に協力する組織だ」
「警察のための部屋?」
彼には意味が分からなかった。
それには答えず極道は拳銃を持った。
「確かに冤罪、だがな、警察にも面子がある、マスコミもうるさいし」
「ここの警察署長の出世が妨げられたら、俺らも危ない、何しろ、長年のダチだ」
「悪く思うな、これも警察のため、俺らのため」
「お前なら、どうせ、家族も無し、誰も心配しない」
その言葉と同時に拳銃は放たれ、彼は死んだ。
短編集 舞夢 @maimu
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