5
夜は魚
しっとりと現実を飲み込んで
平然と泳ぎ続ける
とある死も
とある生も
しっとりと飲み込んで
けろりと泳ぎ続ける
地平の彼方から
久遠の果てまで
しっとりと飲み込んで
風のように泳ぎ続ける
思春期の私が書き散らした言葉も
病院で死の病に伏せっている母も
しっとりと飲み込んで
時のように泳ぎ続ける
歯の浮くような言葉など
聞こえなかったかのように
しっとりと飲み込んで
魚のように泳ぎ続ける夜よ
夜は魚
しっとりと現実を飲み込んで
平然と泳ぎ続ける
詩 千景 @thousand_paysage
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。詩の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます