私の本来の姿はどっち?
「君も、「バケモノ」の分類に入る子なんだよ。君もいつ暴れだすかわからないんだ。」
それを聞いたとき、自分の本来の姿がどういうものなのか気になってしまった。
「その姿は、いまでも、見れるんですか?」
「ああ。君ならそういってくれると信じていたよ。ここじゃダメだ。移動しよう」
そう言い、彼の車で移動した。
着いたのは、大きなお屋敷だった。きれいでまるでお城のようだった。
「ここは、私の家ですよ。ほら美帆さん、こちらへ。」
私は、言われるまま彼に着いていった。
大きな部屋に着き、彼が着替えろと言ったのでお風呂に入り、着替えやすいワンピースに着替えた。
「サイズは大丈夫そうですね。美帆さん。今から何を見ても後悔しませんか?
誰にも言わず隠して行けますか?自分を嫌いになりませんか?」
「はい」
彼は鏡張りの部屋に私を連れてって行った。
「ここで何をするんですか?」
私は、その部屋に入った瞬間何かおかしいと感じた。
何がおかしいのかはわからない。
「君の本当の姿を見るんだよ」
彼は寄ってきて、私の腹をナイフで刺した。私は何が何だかわからなかった。
立っていられずに私は倒れた。
「私は、本当の鈴宮純一ではないよ。私は鈴宮財閥の敵、渡辺財閥の人間だ。」
この人は何を言っているんだかわからない。
もう殺されるとあきらめかけたとき、真上にあった窓が割れた。
ライオンが入ってきたのだ。そのライオンは、敵だといっていた渡辺を軽々と殺してしまった。
そのライオンが、私を見てこっちに歩いてきた。ライオンは怖くても、動く気力も声を出す気力もなかった。
するとそのライオンは、見る見るうちに、人間の姿になった。
「美帆さま。大丈夫ですか?お向かいに参りました。説明はあとです。少し痛いですが我慢してください。」
その男はそう言い、私を抱えて割れたガラスから出て、大きな車に乗った。
そこにはたくさんの人がいた。
私の記憶にあるのはここまでだった。
目が覚めると、目の前におじさんがいた。
「ああ、目が覚めたんだね。間に合わなくてすまなかったね。」
「あの、あなたは?」
起き上がろうとした瞬間体中に痛みが走った。
「今はまだ休みなさい。今は信じられないだろうけど、私が本当の鈴宮純一だ。」
と彼は言った。
「私、自分が何者か分からないんです。私を助けに来たと思われるものは、ライオンだったのに人間になったんです。これは私がおかしんですか?それと、あなた方は私の敵ですか?味方ですか?」
「私たちは君の味方だよ。それから君の眼はおかしくないよ」
私は無理やりおじさんを説得して、車いすに座りながら、説明をしてもらった。
あの、鏡張りに似ている部屋に入らされた。でも、そこにはあのライオンの人がいた。
「あの、私が刺された時もこんな部屋だったんですが、なにか関係があるんですか?」
おじさんは何も答えずに笑って彼らに服を脱ぐように指示した。すると彼らは服を脱いだ。
「ここの部屋は、自分の本当の姿を現した入れ墨が見れるんだ。彼らはライオンで、入れ墨は腰あたりに子どもが書いたようなライオンの絵があるだろう?」
「では、私にもあるんですか?」
彼らと、おじさんはにこにこしながら、うなずいた。
「女の子だから恥ずかしいとは思うが、そのワンピースを脱いでもらえるかな?」
私はとにかく恥ずかしいよりも、自分の姿を知りたい。そう思い、びりびりになったワンピースを脱いだ。
すると、よくわからない入れ墨が体中にあった。
「あのこれって一人一個しか入れ墨がないんじゃないんですか?」
「君は。確かに鈴宮家の者だ。私の妻とよく似ているだけでなく、入れ墨まで。」
私はよく意味がわからなかった。
「君は、すべての入れ墨がある。ネコ科動物はもちろん、黒い天使、天使まで。これからよく訓練して、自分の力を制御できるようにしなくてはならない。美帆さん私たちと同じ籍に入るのはまだ考えていていい。しかし、美帆さんの危険を守るためにも、ここにしばらく住んでいてほしい。」
私は、いろんな人にも迷惑がかかるのは嫌だと思い、ここに住むことを決めた。
私を助けたライオンのお兄さんは私の執事だと聞いた。しかしその人には、名前がないと知り私が「リヒト」と名付けた。よほど気に行ったのか、彼は私とよく話しかけてくれるようになった。
訓練を初めて、自分の「バケモノ」の方の姿を分かり始めた。
毎日毎日の訓練に私は自分が「人間側の子」なのか、「バケモノ側の子」なのか分からなくなった。
いつか、はっきりするのが怖くてにげだしたいきもちになった。
けれど、周りの彼らは笑顔で過ごしている。私も、自分の心、笑顔を取り戻せるためにここに残ると決心した。
私の本当の姿 @suzumiyamisuzu
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