私の本当の姿

@suzumiyamisuzu

私は何者?

私の名前は、「菊地美帆」

普通の中学三年生。 

少し、いや、かなりのおバカな中学三年生です。


私の本当の親は、私たち姉妹を捨ててどこにいるかもわからない。

今は、血のつながり何てかけらもない人たちに引き取られ、育てられている。

一緒に住み始めて五年目。

平和な家族だったのに、この頃両親の喧嘩が多くなってきている。離婚寸前といってもおかしくない。

この家に来る前にも、色々なところでお世話になったが、どこも私たちが邪魔ですぐ捨てる人が多かった。でも、この人たちはもう五年も育ててくれていた。

だから、油断していたんだ。

「いい子」を演じているから、今度は捨てられないと。

けれど、喧嘩を始めたことでここもそろそろ、潮時だと思い始めた。


そんなことを思っていたある日のこと。家に帰ると話があると両親にリビングに連れていかれた。

父「今日、お前がほしいと言ってきた人がいる」

母「最初はね、断ったんだよ。でもね、大金をくれると言われっちゃって。」

父「お前でも、役に立つ時が来たんだ。行ってくれるよな。おまえは「いい子」だ  もんな」

母「一度その人に会ってみてね」

私は気が遠くなった。

二人とも私が邪魔になることはわかっていた。

でも、やはりこの世は金がすべてなのだと分かってしまったのだ。


後日、新しい親となる人に会ってみた。

その男は、大きな会社の社長さんだと言った。

名前は「鈴宮 準一」と言った。

「こんにちわ。美帆さん。

 少しおかしな話をしてもいいかな?」

「あ、はい。」

「人間は、少し変わったものや、不気味なものを見ると「バケモノ」というだろ  う?

 しかし、この世には、人間と人間ではない何かしらの生き物の間に生まれた子

 がいるんだ。今では数少ないんだ。

 数少なくなったのは人間の子たちのせいなんだ。人間の子が言う「バケモノ」

 の子たちをいじめてしまったんだ。まー、自分が怖いものをいじめてしまうの   は仕方がないことなのかもしれないんだけどね。

 今、「バケモノ」の子たちは自分の本来の姿を隠して生活しているんだ。

 君みたいに、普通の人間だと思って生活している子は、自分の本来の姿を知っ  て暴れだしてしまう子もいるんだ。」

「あの、何が仰りたいんでしょうか?」

私が、訪ねると、彼はニヤッと笑った。寒気がした。

彼は口を開くと、衝撃的な言葉を放った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る