広告は本当の嘘を付いた奴が偉い

文章が上手い!村上春樹をどことなく思い起こさせる文章。


現実世界の、ごく普通の人を題材にした小説です。こういう小説は、リアリティを出すのは簡単だけど、グダグダさせずにきっちりまとめるのは難しい。妙に説教臭くなっちゃったり。

作者は、舞台を24時間に絞ることで緊張感を維持したまま話を展開させ、綺麗にまとめていきます。文章が流れるように読みやすくて、するっと最後まで読めました。

主人公の周りには、一本ネジが飛んでて濃い人たちが出てきます。ごついゲイのねーちゃんとか、サバサバお姉さん、とかじゃなくて、現実をもう少し「現実」らしくしたらいそうな人たち。純文学タグも納得です。上司とクライアントの板挟みになったことがあるすべての社会人が共感できる作品だと思う。

でも、社会に出てない学生にこそ読んでほしい。良質の本は、知らない世界をのぞかせてくれる。たぶん、そのへんの異世界転生者より広告代理店営業のほうが、カクヨムではずっと珍しいし、ずっと冒険してる。

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PJ:アフリカ

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