愛と悲しみと笑いに満ち溢れた、元の作品読んでみたくなるレビュー集

栗本薫さんは元々「二番もあるんだぜ」で有名(だと思う)小説道場をちょっと読んだことがあるってくらいだったんですが、この人のレビューを読んで、いくつか著作を手に取ったくらいには吸引力があります。

愛憎たっぷりに書かれたレビュー郡は、時にボロカスに叩きのめし、指をさして笑い、純粋な読者としての嘆きに満ち、しかし時折ホロリとさせられるくらいの純粋な賞賛も見え隠れし、「こんな風に一人の人間の気持ちをあっちこっちに揺るがした作家の作品ってどんなものなんだろう」と好奇心を掻き立てられます。

メディア9、グルメを料理する十の方法、ぼくらの時代など良い作品を手に取る機会を与えてくれたこのレビュー郡に感謝します。色んな逸話のある作家さんだし、手軽に手に取れる長さの作品、おいしい上澄みだけ食べてるから言えることなのかもしれませんが。

全くこの作家を知らない人が読んでも面白いです。むしろ自分のように、ほとんど作者とその作品を知らない人がちょっと好奇心で覗いてみるくらいの方が楽しいかもしれない。(コアなファンが読むと色々と触発されてつらいかもしれない)

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