薄れつつある震災の記憶を呼び覚ましてくれる良作です。他の方もおっしゃっていますが、旦那さんの言葉が胸にささりますね。そう遠くない未来、このお話のようなことが現実で起きていたら素敵だなと思います。
私の実家は九州で、私自身は東京にいて帰宅難民になった程度でした。ですが、退社前に会社のテレビで津波に襲われる映像を見て、唖然としました。その後も連日の特番を見て、何度も津波現場の映像を目にして、何だか今でも津波映像を思い出すと、グッときてしまいます。まして、被災者の方々にとっては筆舌に尽くし難い感情なのだと、容易に想像できます。作品自体は淡々とした書き振りですが、震災を扱った内容には心が揺さぶられます。30年後に被災者の方々が淡々と過ごす事が出来ますように。
さらに言えば、旦那さんのお父さんも素晴らしい人。芯が通っていて、尊敬しちゃいますねっ新婚旅行のエピソードがまた素敵です。いちいち言うことがカッコイイ旦那さんに愛されて幸せですね!心から祝福したくなるお二人にさらなる幸あれ!
相手の苦しみが分かる人間になれというお父さんの言葉が胸に刺さりました。あの震災の被害を乗り越えて今を生きている人は、本当に強い人なんだろうと思います。未来を日常を書いた話に胸が温かくなりました。面白かったです。
「あの時」、小生は駅のホテルロビーに逃げ込んでいた。何とかテレビを見られるようになってから、太平洋側の恐ろしい映像を見た。 しかし、この作品は「あの日」が主軸になっているにも関わらず、そんなに重たく感じない。痛みも少し入っているのだろうが、それも軽減させてくれる。まさに現代ドラマに仕上がっている。しかも、最後の終わり方が希望を感じさせてくれる。「あの日」をただ辛いものととらえるのではなく、太平洋側も様々だったのだと、教えてくれる。 よく練られた作品だと感じさせてくれた。
仙台は行ったことのある街ですが、本当に綺麗でよいところだよなあ、と作品を読んで改めて思いました。まだ行ったことのない人も、読んだら仙台に行ってみたくなるはずです。そして、"あの日"を見つめる旦那さんの言葉が、胸に深く染み入ってきます。あの震災の記憶を、客観的な過去・経験として、こんな風に穏やかに振り返ることのできる日が、一日も早く来ますように。