GOOD DAY

朝が来た。何時間寝たのだろうか、随分と砂が体に覆いかぶさっている。

「うぅ…?」

眩しい。

空が今まで以上に明るい。本当に朝が来たのかもしれない。

まだ少し雲はチラチラと視界の中へ侵入してくるが、これは晴れだ。

今までの気分より晴れやかな寝起きだ。

今すぐこの地を駆け回り、踊りたい、そんな気分だ。

「でも進まなきゃ。進んだ先のゴールで駆け回ればいい」

そうだ、塔に行くんだ、私は。

ザーッと砂を地面に落としながら立ち上がり、南に進む。

未だにこちらで合っているのか不安になるが、今更そんなことを気にしては過去の自分に迷惑だし、申し訳ない。


今日は遠くまでよく見える。真っ平らな地平線が。

塔があればすぐ見つけられる。最高だ。


しばらく歩いていると、地面に妙な跡が残っていることに気づいた。

これは…なんだ?

何かが二足歩行していたような跡だ。

しかも新しい。

嘘だろう?まだ誰かいるのか?こんな世界にいるのか?

私はあたりを見渡した。620度見渡したところ、遠く、遠くにいわゆる飛行機のような機械の残骸があることに気づいた。

あんなものは歩いてきて初めてだ。


行ってみよう。


今日は良い日になる、そう思った。

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少女よ、世界の終わりを。 ヨモスエ/ささウ @yomosue

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