見事! 描き出される平安の世!

陰陽師である。
陰陽奇譚である。
見事である。

……と、三行で終わらせるにはあまりに惜しい。
描き出される平安の世の中は、作者の咀嚼されたたぐいまれなる知識によってありありと描き出され、私たちの脳内に投射される。
その平安京を、所狭しと動き回る、陰陽師に、もののふに、鬼!
これで面白くないわけがない!

ときに無残に、ときに美しく、そしてどこかコミカルに紡がれる陰陽奇譚。

是非とも皆様方にも読んで頂きたい逸品である。