第3劇 アトロポスライン
開拓とは一言で言うと新天地を人が住めるように改造することである。
惑星開拓においてはまず第一段階として、最低限人間が生存出来るよう大気の組成を変えたり、気温を調節したり、有害な物質を取り除くテラフォーミングから始める。もちろん最初からその手があまり掛からないよう、地球環境に近い惑星を選ぶ。
テラフォーミングが終わり、銀河フロンティア管理局から開拓許可が下りると、シティーフォートやフリーの
開拓の流れはまず候補地に何を建設するか考える。農作物の生産に適した場所なら農村を作り、鉱脈があれば採掘施設を作る、といった具合だ。
フロンティア管理局から領有権を発行され入植許可が得られれば、街や工場などの建設が始まる。それらを作るためには人手と資源が必要だが、シティフォートならともかくフリーのパスファインダーは人脈と金に頼るしかない。
そのために他人の開拓クエストをこなすのは両方を手に入れるための近道なのだ。
しかしクエストをこなさなくても稼ぐ方法がある。それは新天地の発見、情報登録作業だ。その情報を誰よりも早く登録し、領有権を手に入れたい人のために売るのだ。
この登録作業はオービタルスポットの設置作業と並行して行われる。すなわち新天地情報の拡充がそのままETS(エレメンタルトランスシフト)使用可能領域を広めることにも繋がる。
ただし人と町を維持するためには相当な資金がかかる。より良い豊かな土地は探せばいくらでも出てくるのだ。経営破綻し廃墟となっていく開拓地も多い。
そして人類は寂れた土地を捨て、再び新しい新天地を求め旅を繰り返すのだ。
ハーレム国を作りたい。
そのためには街が必要。維持するために最低でも自給自足できる土地と資源が必要。それらを開拓するには人と金が必要。
両方ゲットするには美少女とお近づきになれる開拓クエストをこなせばいい。しかしそんな都合のいいクエストは存在しない。
ただ美少女が仲間に居たら地味なクエストでも頑張れる。でも美少女が居ないのでやる気出ない。
↑今ここ。
「始まらない……俺の夢冒険がまだ始まらないっ!」
なんてことだ。まだスタートすらしてない。
このまま30歳を過ぎ、本物の魔法使いになったらどうしよう!
お使いクエストばかりしてるのでパスファインダーランクもEのままだ。
それには理由がある。高難易度クエストはベテランだが独身で寂しいおっさんパスファインダーばかりになってしまうからだ。
結婚したリア充はパスファインダーを辞めて入植先で落ち着く。ゆえに未婚の駆け出し美少女に会いたければ低ランククエストを狙うのが一番。
しかしフラれ続けてご覧の有様だよ……。
そういえばシャルネちゃんはCランクだったな。
あの若さで、しかもフリーでそんなランクの奴は男でもほぼ居ない。もしかしたら希少な鉱脈の一つや二つ発見したのだろうか。
開拓業は運要素が大事である。だからこそギャンブル脳なおめでたい奴らが多く、すぐに路頭に迷うハメになるのだ。
チマチマ続けていられる俺はまさに開拓者の鑑だな。
だがシャルネちゃんのようなタイプもこの世に存在するのも事実。
よし、今回はちょっと面倒だが高難易度クエストを探してみようか。もし彼女のようなベテラン美少女が仲間に加われば開拓業も一気に進む。
そう、数撃っても当たらないなら、ハイスペックなレア美少女をピンポイント攻撃!
それから俺は一週間、惑星随一の欲望渦巻くエルドラードのクエストフォーラムにかじりついた。
「……ゼロ…パーセントだと……」
まぁ滅多に居ないからレアなわけで。
俺氏、ランチタイムのカフェテラスでテーブルに突っ伏す。
エルドラードはゲリラ突風が多い。こうしてると道行く若い娘やウェイトレスのスカートが舞い上がる瞬間が見れるのだ。
横目でスカートを穿いてる美少女をチェックしてると、何やらウェイトレスがこちらを見ながらヒソヒソと相談し始めた。
「フッ、俺の噂をしているな?」
そろそろフルカウント、通報されそうだ。
あと生活費も危うい。兄者のシリンダーを闇で売るか?
いや、それは俺と兄者の美学に反する。俺達だけが使えることに意味があるのだ。
「うぅ、ハイスペックな美少女はどこに行けば会えるんだ……」
「あら、私のことを探しているのかしら?」
独り言に応える妖艶な声。
顔を正面に向けると、そこにはテーブルに乗った豊満な乳袋があった。
イエス! ナイスオッパイ!
長身で褐色肌の黒髪お姉さんが、身を乗り出すように正面の椅子に腰掛けていた。チャイナドレス風の深いスリットから覗く極上の脚が見せ付けるように大きく伸びる。
美女はおっぱいを揺らしながら脚を組み直し、誘惑するように肩肘をついて俺を覗き込んだ。
「貴方、カサハラ兄弟の弟じゃなくって?」
「そうです、俺が弟のリュークです。君のことも聞かせてくれないか? とりあえずスリーサイズから」
「92、60、87よ」
セクシーダイナマイツ! 確かにハイスペックだ!
「噂通りね。会えて嬉しいわ。私はサラディー・エルカノン。Aランクのパスファインダーよ」
Aランクだと!?
初めて会ったぜ、そんな高ランク。何者か分からないが奴隷になりたい気分だ。
「ライセンスはIDから連絡先探られたくないから見せないけど、信じてもらえるかしら?」
最近の手口を見抜かれている。お近づきになった美少女に拡散されたようだ。
「君のような美女なら騙されてもいいさ」
「そう、じゃあ話を続けるわね」
淡々とした事務的な反応。だがそれもいい。
彼女はウェイトレスにレモンティーを注文した。
「ぜひ貴方に依頼したい仕事があるの」
「この俺に?」
俺と彼女とのランク差はかなり開いている。ただ一概にパスファインダーと言ってもそれぞれ得意分野がある。発掘が得意な者、生態調査が得意な者、戦闘が得意な者など。
そこで短所を補うように目的に合わせてバランスよくパーティーを組むのが定石だ。つまり彼女は自分に足りないものを俺に求めているのだ。
「分かったぞ、恋人役だな? 24時間どころか一生涯のサービスを保証します」
彼女はマップデータの立体映像をテーブルに投影して説明を始めた。
「ここは私がオーナーを務める開拓地の一つ。最近どこからともなく大量のスウィーパーが押し寄せてきて困ってるのよ」
スウィーパーとはトレイルスウィーパーの略称である。
機械部品を取り込んで成長していく謎のエネルギー生命体。この星だけでなくあちこちの惑星で目撃されている人類共通の敵だ。
「ご存知の通り、奴らの生態や発生法はまだはっきり解明されていない。何人か腕の立つハンターを雇って迎撃しているけどキリがない。このままではこの村は経営破綻してしまうわ」
没落貴族も守備範囲内です。セバスチャンとお呼びください。
「そこで発生元を断つために私と一緒に調査して欲しいのよ。二人っきりでね」
誰も知らないスウィーパーの発生要因を調べて断つという超難関クエスト。いつ終わるのか、解決出来るのか、命の保証もない無謀にも聞こえる依頼だが……
「やりましょう」
二人っきりの思い出、プライスレス。
澄ました顔でレモンティーを飲むサラディーに、俺は淡いロマンスを期待して即答した。
「まだ報酬の話もしてないんだけど」
「君と二人っきりで冒険出来ることが俺への報酬さ」
「やっぱり貴方に頼んで正解だったわ。クエスト中の経費はすべて私が持つから安心して。それに報酬もちゃんと用意するわ。100万クレジットくらいでどうかしら?」
100万!? 10人用のフォートレスが3台は買えるぞ? さすがAランクは格が違う!
「犬とお呼びください、女王様!」
「お手」
「わん!」
彼女は乗せられた手をそのまま握り握手した。
「ただし二つのことを絶対守って。ひとつ、クエスト内容を他人に喋らないこと。二人っきりと言ったけど、お兄さんとの連絡も断ってもらうわ」
兄者のサポートなしか……。
そこまで二人っきりになりたいなんて、これはもう何かあっても受け入れてくれるサインだと思っていいよね?
「そしてエッチな行為に及ぶたびに報酬から一割ずつカット、全額カットになった時点で契約は終了よ。紳士に付き合ってくれることを期待してるわ」
釘を刺された! クエストが終わるまでスケベ禁止か……。
いや、待て。一割ずつということは9回まではセーフだから! 実は誘ってる!?
「じゃあよろしく頼むわね、リューク。私のことはサラでいいわ」
「OK、サラ。君の貞操は俺の理性に代えても守る。たぶん」
契約書にサインする。
契約期間が四日と、やけに短いのが気になった。目星は立っているのだろうか。
準備を整え、サラがオーナーを務めるジャングル奥地の開拓村に着いたのは、一日回って日が沈みかけた頃だった。
村の周りには数十台のフォートレスが停泊している。スウィーパー駆除を頼まれたハンター達のものだろうか。
「少し情報を集めたいし、後で貴方のフォートレスで落ち合いましょ。こちらから連絡するわ」
撫で回したくなるお尻に注目しながら管理局へ向かう彼女を見送る。
あのセクシーな美女と二人っきりで調査しに行くのかと思うと、今日の夜は眠れそうにないぜ! 取り敢えず1スケベ消費するか?
こちらもいろいろ準備しておかなければ。ローカルネットに接続してこの村の情報を閲覧する。
この開拓村の領有権は確かにサラになっていた。彼女のネットワークを通じパスファインダー情報を引き出そうとしたが、なぜかロックされており閲覧出来ない。
ディナーへ誘うために好みとか知りたかったのに!
入植者数は288人。マギウスエンコーダと言う新型トランスレイターの部品とワインがこの村の特産品らしい。
前者は聞いたことがないので、市場に出回っていない一部のメーカーやシティーからの受注生産品なのだろう。
後者は新興の開拓村ではよくある産業だ。開拓者達にとって酒は欠かせないもの。それを自給自足し余った分を出荷しているのだ。
とりあえずディナーの後はバーで決まりだな。酔わせたところでお楽しみタイムを満喫しようではないか。
では早速雰囲気のいい店を探すとしよう。
村をぶらぶら歩いて見て回る。
そこそこ広い村だ。それゆえ普段はまばらにしか人を見ないのかもしれないが、今は雇われた脳筋ハンターらしき野郎共とよくすれ違うほど賑わっている。
こんなに数が必要なほどスウィーパーがやって来るのか?
「おまえはストーカーかっ!」
突然背後から奇襲を受けて民家の壁に顔面から激突した。
鼻血を押さえながらドロップキックをかました美少女に振り返る。
「やぁ、シャルネ。奇遇だね」
「わざとらしいわよ、この変質者!」
彼女は百合仲間のイリィナと共に旅をしているCランク
恐らく彼女も用心棒として雇われたのだろう。以前のメイド姿とは異なり、初めて会った時のようなカウガールスタイルに戻っている。
両太腿にマウントされているガンブレードラックは以前より大型化しており、何か仕掛けがありそうだ。これだけの重装備でドロップキックをかませるとは……。
しかしミニスカートから覗く魅惑の太腿は筋肉質ではなく、むしろうつ伏せに膝枕してもらってスーハースーハーしたいほど柔らかくて気持ち良さそうだ。ついでにおっぱいも再び大型化していた。
「俺は今確信した。君達とは運命の赤い糸で繋がっているのだと! 何も心配はいらない。俺は二人同時に愛することができ……」
弾丸が俺の股下を通り抜け地面を穿つ。
「……潰すぞ?」
ひぃっ!?
思わず内股になる。なんと正確無比で素早いクイックドロー。
その時、けたたましい警告音が村中に鳴り響いた。
続いて状況を知らせる立体ホログラムがあちこちに投影される。
「こんなとこで発砲するから……」
「違うわよバカ、仕事の時間よ!」
ホログラムに表示されたステータスウィンドウから詳細を探る。
「嘘、もうこんな近くまで!? 役に立たないスカウトね」
慌ただしく村中の狩人達が動き出す。
ある者はエアバイクに乗り、またある者はギルド単位でフォートレスに乗り込んで出撃していく。シャルネもエアバイクに跨って発進しようとする。
かなり高そうな機体だ。彼女の体型に似合わず大型なのは、相棒のイリィナと二人乗りを想定しているからだろうか。
俺は彼女の腰に手を回した。
「ひゃんっ!? 何しれっと同乗してるのよっ!」
可愛い悲鳴の後、鳩尾エルボーからローリングソバットへの華麗なるコンボで蹴り落とされた。
「いや、マイフォートレスまで戻るの面倒だし……」
「……その脚は飾りか?」
蔑むように吐き捨て彼女は行ってしまった。走れということらしい。
交戦状況を確認する。
どうやら相手は複数居るようだ。まだ村までは距離があるがあちこちで戦闘になっている。
シャルネが向かった戦場はどこだろうか。出来れば一緒に戦ってフラグを立てたいところだが……。
おっと、サラからの通信だ。
『リューク、貴方はフォートレスに戻りなさい。出発するわよ』
え、今この状況で?
『スウィーパーは用心棒に任せておけばいい。猛者ぞろいだし何とかしてくれるわ』
襲われているのはサラの村だ。オーナーがそう言うのだから従っておいた方がいいだろう。
イリィナとはまだ会ってないが、あの二人にはまた会える気がする。今はツルペタのシャルネよりセクシーダイナマイツのサラの好感度アップを優先しよう。
マイフォートレスに戻ると、すでにサラが一階の武器庫で待っていた。
「不用心ね、セキュリティーくらいかけないの?」
「サラはもう顔パスさ」
出会った美少女達がいつでもここへ帰って来られるよう、俺はすぐに彼女達のデータを登録しているのだ。スリーサイズと共に。
ちなみに登録数はすでに100人を突破しているが誰も帰ってくる気配はない。
「それに兄者も居るからな」
「えっ? どこに!?」
常に余裕のある彼女が初めて表情を崩した瞬間だった。
俺は開かずの間となっている研究室を指差した。
「一度も見てないし声すら聞いてないんだけど……」
「兄者の引き篭もりスキルは常人を遥かに超えてるからな。頭をリフレッシュする時か、俺が呼んだ時しか出てこない」
「ふぅん、そう……」
連れて来ちゃダメだったのだろうか?
研究室の方をしばらく見つめるサラ。その横顔もお美しい。
「まぁ途中でフォートレスを降りるし、スウィーパーの餌食にならないよう留守番が居る方がいいかもね」
妥協してくれたようで操縦席に移動する。
マップを開き目的地を示すサラ。その辺りからスウィーパーとの遭遇率は格段に上がると言う。
「交戦エリアを大きく迂回し、このコースで向かうわ」
言われた通りルートを設定しフォートレスを自動操縦に切り替える。1時間後には到着するだろう。
「少し汗を掻いたからバスルームを借りるわ」
ドレスの胸元を引っ張り軽く扇ぐサラ。谷間がこれでもかと言うほど顕になる。
うぉぉぉ、たまらん! 揺れてるぅ! ビーチク見えそう!
二階へ向かった彼女の揺れる黒髪とヒップを見送る。
……こんなに早くチャンスが到来しようとは。
全宇宙の変態紳士の皆様お待たせしました。スケベタイムの始まりです。
何を隠そう、我が家には監視カメラが至る所に設置されているのだ!
防犯のためだからね? 盗撮じゃないからね?
先日、男の娘と出会ってからその必要性に気付いたので、今回が初稼働となる。
「フハハハ! 美少女安心見守りシステム、起動っ!!」
ポチッとな。
……あれ?
何も映らない。
脱衣所も、バスルームも、トイレも、寝室も。
まさか……すでに気付かれていた!?
はっ。
そう言えばマイフォートレスに戻ったとき、彼女は兄者の存在に驚いてた。あれはあちこち物色したのに、お互い全く気付かなかったからか!?
「くっ、こうなれば直接覗くのみ……」
計画はこうだ。
バスタオルを持って出てくるのを待つ。出てきた瞬間脱衣所へ、バスタオル置きに来たよ。あーっと、ラッキースケベ発動!
うむ、雑だが成功率の高い完璧な作戦だ。
バスルームからパシャッパシャッという湯浴みする音が断続的に聞こえる。湯船に浸かっているのだろうか。
耳を澄ませて脱衣所の死角からタイミングを伺う。
ガチャ。
バスルームの扉が開く音が聞こえた。今だ!
「バスタオルをお持ち……」
そこには水も滴るいい女が立っていた。だがすでにバスタオルで防御していた。
まさかバスタオルを持ち込んでるなんて!
「悪いけどカメラは全部ジャックさせてもらったわ。どうせ覗きに来るだろうと思ったから」
俺が逆に監視されていただと!?
「これでまず報酬一割カットね」
彼女の方が一枚上手だった。
「とりあえず着替えるから出てってくれる? 隠れて覗こうとしても無駄よ、全部お見通しだから」
そう言って彼女はイヤリング型ウェアラブル端末を操作して、ホログラムウィンドウを展開した。そこには部屋中の監視カメラの映像が映っていた。
これは計画を大幅修正せざるを得ない。
しかしその豊満な谷間から偽装ではなく本物の巨乳であることは確認出来た。俺は挫けないぞ!
着替えた彼女は薄いタンクトップにホットパンツだけというラフな格好でリビングに現れた。
やれやれ、とんだハニートラップだぜ。そんなのホイホイひっかかってしまうじゃないか。
「食べながらでいいから聞いて」
彼女が用意したインスタント食品を食べながら、彼女は役割分担について説明した。
これから向かうところはオービタルスポット圏外のためETSは使えなくなる。そこで彼女が簡易オービタルスポットを設置している間、俺が敵の注意を引き付ける。
設置後はスポットを奪われないよう防衛しつつ、出来るだけ派手に立ちまわって周囲のスウィーパーのヘイトを取り続ける。
その間に彼女はETSを使って目的の場所の調査をするという流れだ。
「二手に別れて大丈夫かい?」
「あら、自信がないのかしら? 私なら囲まれない限り大丈夫よ」
それに――と彼女は言葉を続けた。
「貴方より強いかもしれないわよ」
微笑んではいるものの目が笑ってない。これは本物ですわ。
少なくともさっきの手腕を見る限り頭はかなりキレそうだ。もしかしたらそれを見せつけるためのパフォーマンスも兼ねていたのかもしれない。
トレイルスウィーパーは行動パターンが単純。平たく言えばバカだ。
フリーで、しかもソロのAランクパスファインダーともなれば、想像を絶するような修羅場もくぐり抜けてきたはずだ。それだけの経験があればスウィーパーを出し抜くのも容易いだろう。
「君には一匹たりとも近づけないさ。派手さには自信がある」
「当てにしてるわよ、私のナイト様」
チュっと投げキスを飛ばすサラ。
うへ、やばい。スウィーパーと戦う前に君にやられそうだ。
改めて無防備な彼女の肢体を舐め回すように眺める。
けしからん! 実にけしからん!
「いいわよ、少しくらい触っても」
「まじでっ!?」
と言うより先に、俺の手はすでに彼女の胸を揉んでいた。
おっぱいってこんなに柔らかいんだ! こんなに柔らかいんだ!
すぐに払いのける彼女。
「はい、二割カットね。触ってもいいけどノーカンじゃないわよ」
なんだってぇぇぇ!?
「終わったらエッチしてあげてもいいわ。もちろんそれもカウントするから大切に残しておきなさい」
この手の感覚が叫んでいる。
減額されてもいい、彼女と寝るために俺は全力を超える! 今なら通常の三倍のパワーが出せそうだ!
「ほんと、扱いやすくて助かるわ」
ため息混じりに呟くと、彼女は準備しに再び二階へ上がった。
「ここでいいわ。これ以上はフォートレスが危ない」
完全武装したサラが操縦席に降りてきて、フォートレスを停泊させた。
戦闘用の黒いドレスにもチャイナドレス風の深いスリットが入っていた。動きやすくすると同時に大きな視覚的アドバンテージを取ることが出来る。これだけで勝てる気がしない!
彼女の武器はスナイパーライフルとマシンガンのようだ。どちらも先端に折り畳まれた刃がついており、薙刀やマチェットとして使えそうだ。
「貴方エアバイク持ってないの? 見当たらないけど」
「いや、ないことはないんだが、今は使えないというか……」
格納庫から円筒形の小型オービタルスポットを積んだ彼女の大型バイクを搬出しながら、俺は曖昧に答えた。
「まぁいいわ。後ろに乗って」
やったぜ!
彼女の後ろに跨がり腰に手を伸ばす――と同時に無意識にお尻と太腿を撫で回していた。
「はい、三割カット」
兄者に留守番を任せ、俺達はオービタルスポット設置予定ポイントへ向かった。
「すでに開拓した跡があるな」
舗装された道中、密林の切れ間のところどころに建造物らしきものが点在していた。
「この辺も私の開拓地。でもスウィーパーに襲撃されあの村まで後退したのよ」
なるほど、スウィーパーのボディー材料はこの辺からも調達されているんだな。
密林の奥から赤く光る光源が複数見えた。
「……見つかったか」
「見つかりたかったのよ」
サイレンタイプ、つまり早期警戒機だ。このタイプに見つかると周囲のスウィーパーを呼ぶ。
呼ばれた大型機の重苦しい足音が次々近付いて来る。
『ビルドアップ、パッシブフォース。ソリッドアクセラレイター』
愛用のソードライフルを構え、俺はETSで加速されたヒート弾を放った。
木々の合間から現れたカニのような大型スウィーパーの胴体装甲を貫通し内部爆発が起こる。
装甲の隙間から炎が漏れ出し瞬く間に全身を炎上させた。
「へぇ、やるじゃない」
「惚れ直したかい?」
このETSは弾丸を硬質一体化すると同時に高速射出する。貫通力を上げると同時に信管の作動タイミングを遅らせ、炸薬を表面ではなく内部で起爆させているのだ。
バイクから振り落とされないようにしっかり車体に足を引っ掛け次弾を装填、すぐさま逆サイドから現れた同型にも放つ。
炎に包まれながらも追って来ているが、やがてスウィーパーの魂とも言えるエネルギー体が消失し次々と動かなくなる。
サイレンタイプはあえて破壊しない。敵を引き付けてもらうためだ。
攻撃能力もほとんどないので最後に近接武器で破壊すればいい。小型なのでETSを使わなくても簡単に叩き壊せるだろう。
金属で出来たスウィーパーは硬いので、出来るだけ無駄弾は使いたくない。
「この辺りでいいかしら」
拓けた高台の上でバイクを止める。遠くに採掘跡らしき露天掘りの巨大な穴が見える。
サラがスポット設置作業に移ったので、俺は彼女から離れながらヘイトを稼ぐために派手なETSシリンダーを選択する。
オーバーロード、トリプルアクション。一度に三つのシリンダーを使いETSを多重起動する。
『ビルドアップ、アクティブデバイス。シューティングフォーム』
光の線が魔法陣状の回路を形成し、ETSプログラムが実行される。
仮想空間からダウンロードされたバトルスーツが装着され、さらに連結するシリンダーがETSを連続発動させる。
『ビルドアップ、アクティブデバイス。ライトニングブラスト』
『ビルドアップ、パッシブフォース。ディフュージョンチェイサー』
ソードライフルにユニットが追加され拡散粒子砲が形成される。背後の廃墟跡から迫るスウィーパー群に銃口を向ける。
「ターゲット、マルチロック!」
一部の小型を除き、捕捉できたスウィーパーをロックオンする。
「エターナルサマー……フラグブレイカァァァ!」
放射状に拡散した眩い光の雨が意思を持つように軌道を変え、次々にスウィーパーを貫いていく。
仮想物質で組み立てられた粒子砲とバトルスーツが消え、ソードライフルのトランスレイターが冷却モードに移行する。オーバーロードすると暫くETSは使用できなくなるのだ。
生き残った小型スウィーパーが迫ってくる。
すぐさまサブウェポンとして持ってきたガンブレードに持ち替え、近接用ETSの準備をする。
『設置完了したわ。じゃあ後は頼むわね』
その通信を最後に、サラが採掘跡らしき穴へ向かうのが見えた。
あの先に秘密があると言うのだろうか。
ここから先はスポットを守りながらの戦いになる。奪われるようなことになれば圏外に向かった彼女はETSを発動出来ず困ったことになる。
「スウィーパーなんて怖くない! 怖いのは童貞のまま終わることだぁ!」
どれくらい経っただろうか。そろそろシリンダーも弾薬も底を尽きそうだ。
「何こいつら、まじ湧き過ぎなんですけど」
倒しても倒してもいつの間にか増えてる。
一体どこからやって来るんだ。こんな現象見たこと無い。
節約のために倒すのは諦め、近接武器で防御に専念する。大型スウィーパーが出た時に弾切れではシャレにならない。
サラとの通信は途切れたままだが、時折スポットが光ってるのでどこかでETSを発動しているのだろう。
幸いヘイトを稼ぎ続けることには成功しているので、スウィーパーはスポットを狙おうとしない。
「兄者に援軍を頼むか? いや、契約違反になるしなぁ……」
エッチ出来なくなったのでは元も子もない。ゴールはすぐそこなのだ。
敵の脚部だけを破壊し、機動力を奪う作戦に切り替える。
しかし損傷したスウィーパーはそこら辺に散らばったスクラップを拾い集め、新たな脚部を形成する。このままでは数は減らず増えていく一方だ。
押され始めたその時、中型のスウィーパーに接近されたので俺は仕方なくETSを発動して吹き飛ばした。
しかしあろうことか吹き飛ばしたパーツがオービタルスポットに激突する。
うおおお、まずい! セクシーダイナマイツ美女とのサタデーオールナイトが!
スポットが停止し、サラへのマギオン供給が絶たれる。それは彼女の生命線が断たれることを意味する。
人間がスウィーパー相手に無双出来るのはETSの恩恵が大きい。彼女の軽装備では太刀打ち出来ないだろう。
すぐさま俺は超必殺技を使って周囲のスウィーパーを一掃し、彼女を援護するため採掘場へ向かう。
どうせこの先はETSが使用出来ない。出し惜しみはなしだ。
しかしさっきので最後だったのか、一匹も追って来る気配はない。
何だか分からないがラッキー。
『ビルドアップ、アクティブデバイス。ロードサイクロン』
冷却中のソードライフルの代わりに、ガンブレードでエアバイクをダウンロードして採掘跡へ向かう。
『3、2、1、タイムアウト』
これの弱点は仮想物質で構築されているため制限時間があることだ。しかしなんとか露天掘りの最下層までギリギリ辿りつけた。
月明かりに照らされた最下層には、光届かぬ坑道が四方八方に伸びていた。
サラはどっちへ行ったんだろう。
「女王様聞こえますか? 下僕がお迎えに参りましたよ」
反応はない。通信も途切れたままだ。
少し前からETS使用不可領域に突入しているようで、ライティングETSは使用出来なかった。仕方なくペンライトをかざして彼女が進んだ痕跡がないか調べてみる。
「エアバイクに乗って行ったし分からないな……」
途方に暮れる。せめてロケーターが使えたら……。
ふと俺の美少女レーダーが反応したような気がして振り返る、と同時に熱戦が横切った。
あぶねぇ!
『ビルドアップ、アクティブデバイス。マルチプルランチャー』
ETS発動の機械音声がどこかから響く。そんな馬鹿な、圏外のはずだ。
しかし次の瞬間、頭上から無数の砲撃が俺を襲った。ペンライトを消して咄嗟に側のトンネルに飛び込む。
轟音と共にやって来た爆風が俺を吹っ飛ばした。
起き上がって振り返ってみると、瓦礫で坑道の入り口が塞がており完全に闇に閉ざされていた。
微かに響く足音。瓦礫の向こうに誰かが降り立ったようだ。
『ビルドアップ、パッシブフォース。ロケーター』
「まだ生きてるなんて予想外だったわ。ほんとに貴方、たいした腕ね」
サラの声だ。ETSで透視してこちらを見ているようだ。
「何このハードプレイ。ドS過ぎるぜ、女王様」
「そんな趣味なかったんだけど宇宙ゴキブリ並にしぶとい貴方が悪いのよ。死ぬまでずっと上で遊んでくれてたら良かったのに」
シリンダーを交換する音が聞こえる。
やはり彼女はスポットなしでETSが使えるようだ。
だったらなぜスポットを設置する作業を必要としたのだろうか?
「でもスウィーパーとの戦闘で殆ど物資を使い果たしたでしょう? ETSも使えない。諦めて私のために死んでくれないかしら?」
「その前にエッチさせてください」
「いいわ、じゃあこっちへいらっしゃい」
セリフと同時に彼女が放った炸裂弾が瓦礫を吹き飛ばす。
笑顔で銃口を向けるサラの顔が一瞬見えた。
しかしすぐにその表情が歪む。ペンライトを最大出力で照射したのだ。
ロケーターを使えば暗闇でも物質を透過して中の様子を探ることが出来るが光に対して盲目となる。ロケーターの効果が切れたときに光が急に瞳に飛び込んでくれば目潰しとなるのだ。
その一瞬を俺は見逃さない。
彼女はペンライトの光に向かって銃撃したが、そこにあるのはペンライトのみ。俺はそこに居ない。
「1スケベげっとぉぉぉ!」
俺は彼女に飛びつき、両手を拘束しつつその豊満な胸に顔を埋めた。
「ふぉぉぉぉ! もう逃さないぜ、女王様。今度は俺のターンだ」
「……四割カットよ」
彼女は観念するように静かに呟いた。
「この先に何があったんだ?」
「言えないわ。知られたくないから口封じに貴方を殺そうとした。分かるでしょ?」
「俺との愛よりそっちを取るなんて嫉妬しちゃうぜ。そいつはアンタを満足させてくれるのかよ?」
その問いに笑みで返すサラ。二人の視線が絡み合う。
先に目を逸らしたのはサラだった。そいつはウソをついてるサインだぜ。
「はじめから腕は立つけど色香でコントロールし易い男を探してた。貴方はまさに打ってつけだったわ。あとは口封じに殺すだけだったのに、こんな単純な駆け引きで負けるなんてね」
月明かりが差し込む。照らされたサラから本音らしき言葉が出た。
「ここで今、貴方が通報してこの先にあるものが公になれば私は一巻の終わり」
だから、と彼女は言葉を詰まらせながら続けた。
「このまま貴方の思うがまま私を弄んでも構わない。その代わりお願い。あと二日でいいから誰にもこの場所のことを言わないで欲しいの」
「本当にいいのか? 俺のビーストモードの虜になっても知らないぜ?」
「それで秘密が守られるなら、私は貴方のものになってもいい」
「身体は正直だな。こんなに濡らしちゃって、びしょびしょじゃないか」
俺はそっと拭った、彼女の頬に伝わる涙を。
決まった……。
やっべ、俺カッコイイ。これは惚れただろう?
魔性の女も悪くない。我がハーレム国に喜んで迎えよう!
「……五割カット」
涙を拭うために俺は右手を使ってしまった。
つまり彼女の左手が自由になったのだ。マシンガンに仕込まれたマチェットが俺を襲う。
かわした隙を見逃さず、彼女はいきり立った俺の股間に蹴りを入れた。
「ひぎぃ……!」
「やっぱり貴方ちょろいわね」
『ビルドアップ、ファンタズマ。ベルセルクゴート』
胸元から取り出したシリンダーのないキューブ型のトランスレイターが、エネルギー状のモンスターをビルドした。
こんなETS反応見たことないが、緑色に輝くエネルギー体の光には見覚えがある。
「まさか、トレイルスウィーパーの中の人?」
「答える必要はないわ」
彼女はそう告げ坑道の奥へと姿を眩ませた。
緑のモンスターは不安定なのか周囲にエネルギー波を蒔き散らしながら、サラが去ったトンネル口を崩して自然崩壊する。
「収まったか?」
瓦礫の影から恐る恐る這い出る。
さっきの召喚モンスターが放った余波があちこち地面をえぐり取っていた。一体何だったんだ?
サラを追おうにも完全に塞がれていて、迂回するルートを探すしかないようだ。
床下から大きな振動が響いてくる。
どんどん大きくなって立っているのも難しくなってきた。
「あ、これ証拠隠滅的なアレじゃね?」
すぐに採掘場から脱出した方がいい気がする。しかしどうやって?
採掘用に掘られた巨大な穴の深さは300メートル以上ある。これを自力で登っていくには時間が足りなそうだ。
俺のETSは相変わらず使えないし参ったぜ。
「良かった、間に合いました」
照明と共に天使の声が舞い降りた。
二人乗りのエアバイクからロープが放り投げられる。
「何ぼさっとしてるの、それに捕まって」
イリィナとその相棒シャルネだ。俺を助けに来てくれたのか!
やはり二人共なんだかんだ言って俺のことを……。
「しっかり身体を縛ってくださいね」
二人の美少女にお持ち帰りされるなんて本望です!
念入りに縛っておこう。
「ふごぅっふ!?」
急斜面をエアバイクが疾走する。
俺は乱暴に引きずられながら、陥没し沈んでいく土砂に巻き込まれまいと必死にもがく。
もしかしておっぱいに目が眩んだ俺へのお仕置き!?
しかし勢いがなくなり、今度は徐々に滑り落ち始めた。
「ひぃっ! ちょっ、やばい、死んじゃう!」
斜面を駆け上がるが崩れ始めた足場ごとどんどん下がり始める。
底を見るとブラックホールのように瓦礫が吸い込まれながら渦巻いていた。
「今度は焦らしプレイか。嫉妬しちゃってかわ……」
「黙ってろ変態! 一体何なの!? ただの地盤沈下じゃない、重力振?」
シャルネはアクセル全開で抜け出そうと試みているが、意に反し穴に引き寄せられていく。
不味い、このままでは三人ともアウトだ。
美少女と心中するのも悪くないが童貞のまま死ぬのは嫌だ!
「あ、愛の告白をするなら今だぞ! 実は俺も前から二人のことを……っ!」
「……リュークさん、地球のおとぎ話にある”蜘蛛の糸”って知ってますか?」
何を隠そう、俺はジャパニズムマニアだ。もちろん知ってるさ!
「一つだけ善いことして地獄に堕ちた罪人が、天国から垂らされた蜘蛛の糸を伝って脱出しようとしたけど、欲のせいで糸が切れちゃう話だよねっ! イリィナたん、なぜ今その話を?」
涙を浮かべながらニッコリと微笑むメイド姿のイリィナ。
俯きながら黙ってガンブレードを手渡すシャネル。
え、なんでここ感動シーンみたいになってるの?
メイドに冥土送りにされちゃうぅぅぅ!
その窮地を救ったのは頭上から現れた一本のクレーンアームだった。
マイフォートレスに牽引され、何とか俺達は命からがら脱出することに成功した。兄者マジイケメン。
さぁて、俺の危機にどうやって三人が気付き駆けつけてくれたのかな?
”巨乳美女と露天ポロリ旅、SMプレイは嫉妬の香り”解決編だよぉ!
サラの救助に向かう際、突然スウィーパーが追って来なくなったのは、サイレンタイプに呼ばれたスウィーパーを追って来たシャルネ達にヘイトが移ったからだった。
さらに俺のSOSを受信した兄者が彼女達に合流し、並居るスウィーパーを薙ぎ払って全滅させてくれたそうだ。
どうやって? それは次回のお楽しみ!
結局あそこで起きたことは誰にも言わなかった。
サラの涙は本当に演技だったのか。
運命が二人を引き裂き、やはり叶わぬ恋だと悟って流した涙なのだと俺は思いたい。
サラ、俺はたとえ神に逆らっても君を待ち続けるよ……。
「あたしだってガキっぽく思われたくなくて毎日揉んだりミルク飲んでんの! でもちっとも大きくならない、ちくしょうめ! うえぇぇん!」
酔っ払ったシャルネが泣き始めた。彼女は泣き上戸だった。
やはり童顔&貧乳気にしてたんだな。だがそれがいい。
「おいっ、リュークひゃん、きーてんのっ? わたひがシャルネしゃんをせっとくひたから、たしゅかったんれしゅよ? これでかしきゃりなしでしゅから。うっ、はきそ……」
「ちょっ……やめっ、やぁぁぁん!」
イリィナがシャルネにディープキスする。うわぁぁぁ。
イリィナにもワイン飲ませたのは失敗だった。俺の天使が……。
俺達はスウィーパーが出現しなくなるまで暫く村に滞在した。
本当に発生源のようなものがあの採掘場にあったのかは分からない。しかし日に日に少なくなり、殆ど出現しなくなったのは事実。
そして口座には約束通り報酬の半分が振り込まれていた。口止め料と言うよりお礼の意味に違いない。
彼女はどこかで生きているのだ。やっべ、またフラグ立てちゃったかぁ……。
ただ今回の事件は俺がモテ過ぎたために、二人まで危険な目にあわせてしまった。反省しなければ。
以前に二人を助けたことは今回の件でチャラということになり、逆にその時失った装備の弁償代と辱めを受けた慰謝料を払えとタカられ始めたので、今後の人生設計も踏まえて話し合おうとバーに誘ったのだが、あっという間に酔っ払って面白いことになったので秘めたる痴態の観察中、というわけだ。
「あんた達若いのに昼間から飲んだくれて……。仕事は何してるんだい?」
「フリーの
村のオーナーであるサラディー・エルカノンはこの酒場のオカミだった。
現在はパスファインダーを引退し、ヤンチャした過去を封印した二児の母親となっている。そりゃ現在の開拓者名簿にアクセス出来ないわけだ。
ではあの褐色黒髪巨乳美女はどこの誰で何を企んでいたのだろうか?
彼女とは意外な形で再会するのだが、それはまた別のお話。
ラッシュフロンティア 碧るいじ @midori64
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