文章のみで戦闘機やドッグファイトを表現するのは難しいと思っていましたが、中々にエキサイティングで読み応えのあるSF空中戦が展開されていました。
かつて最強と呼ばれたパイロットが、新たな人生の中で出会う人々、そしてそれでも変わらぬ想い。重厚なSF戦記としての前日譚を思わせながら、『戦後』を描いているのが特徴的だと思いました。
中篇の物語として過去と現在、因縁と勝利、様々な要素が上手く起承転結にまとめられていました。
これからも『曲芸』が空を舞い、人々の笑顔を守るのだろうなという明るい未来を感じさせる良作でした。続編だけでなく過去編や番外編など、色々と展開できそうな内容でもありました。