あとがき

 半魚人の食卓をお読みいただき、ありがとうございます。


 おい! いったいこれのどこが恋愛小説じゃ、バカタレ! というお叱りは、あえて頂戴いたします。いひひ。


 まあ、ヒーローヒロインの甘ったるい絡みを最初から最後までぶちかまされた日には、血糖値爆裂して完食前に満腹ごちそうさまになってしまいますので、あえて糖分少なめのあっさり仕立てにいたしました。でも、登場人物の口からダイレクトな愛情表現の言葉が一つも出てこない話ってのは、いくらなんでも薄味過ぎたかもしれません。まあ、足らないお砂糖は脳内補完してくだされば。


 本話。すぐにひねりたがるわたしにしては、ものすごく直球系の話になったなーと思っています。話中で使ったモチーフやイベント、筋立て、結末にも、特段変わったものはなかったかと。え? うそつくな? うそなんてついてませんよー。ほらは吹きますけど。ぱおー。


 一応軽めの恋愛小説なので、めんどくさいテーマは立てていません。コンプレクスを抱えた恋愛弱者同士の交流プロセスを、ちょっとだけ変則的に描きたかった。それだけです。狙い通りにうまく描けたかどうかはかなり微妙ですけどね。


 それと。わたし自身が長いこと『いい人止まり』の人種でしたので、魚地くんにはそのうらみつらみをたっぷりしょいしょいしていただきました。その分、私小説ならぬ私憤小説になっているかもしれません。えへ。


 最後にあらためて。本話を通読してくださったことに、あつくお礼申し上げます。ありがとうございました。

 


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半魚人の食卓 水円 岳 @mizomer

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