星村哲生さんの世界には、そこはかとない閃き、才能の片鱗が漂いますね。

この方は、童話作家の適性が見事なまでに備わっていますね。商業作家として成功する資質を兼ね備えているというか、出版社からお声がかからないのが不思議なくらいです。バランス感覚。きめ細やかな行き届いた心配り。遊び心。どれも十二分に読者を楽しませる要素を含んでいます。そして自分の作品を客観視できる強みがあるのも、星村哲生さんのニューワールドとしての、武器ですね。どれも絵本として商業出版しても遜色がないばかりか、かなりのポテンシャルを秘めた、高品質を保証しているような気がします。子供に読ませるために、敢えて、ひらがなを多用したり、そういう細かな心配りできるところが、まさに作家向きだと思います。「そうだ、それにぎゅうにゅうを テーブルにこぼしても しらんかおするぞ」、「そんなあ」、「それに、おもちゃをだしっぱなしにして、ちゅういされてもかたづけない」、「おうちにかえっても 手をあらわないぞ」…こういう大人としての遊び心のある作家さんは、こちらも読んでいて楽しくなります。なにより作家さんが、小説の中で楽しんで書いているのが十分伝わってきます。これからも良質な童話、たくさん読ませてくださいね。応援しています。