「中庸とは英吉利語の good sense である。わたしの信ずるところによれば、グッドセンスを待たない限り、如何なる幸福も得ることは出来ない。」
とは芥川の言葉ですが、大変この趣が強い。鹿の頭の女の子、喋る死んだマンボウ、これらの強烈な視覚的なイメージに違和を感じながらも彼らは淡々といきていく。その感じが好きです。
星新一風、という言い方が果たして分類として正しいのか、そして失礼ではないのか不明であるけれども、そういう短編もあります。そっちにもそっちの良さがあって、好む人も多かろうと思いますが、俺はこの日常的幻想みたいな世界がとても好きなので、そのあたりが楽しみであります。