普段意識していないことを、改めて考えてみるきっかけとなる作品

 結論から言うと、非常に面白い。

 主人公ふたりと、ふたつの世界。それぞれで行われる対話を通して、主人公たちは自らの抱える悩みに対して答えを見出していくのにつられて、読んでる自分自身も、一緒になって自分自身の答えを探していた。
 この作品で語られているテーマは、生き方の話だったり、在り方の話だったり、そういった抽象的で哲学的な話である。それは、ふとした拍子、例えば、休憩時間に煙草を吹かしてる時だったり、一日の終わりに湯船に浸かっている時だったり、そんな他愛もない時間に、浮かんでは消えていく益体もない思考に似通っていて、それでいて、作品内の登場人物たちの対話を通すことで、輪郭を与えられていくものだから、ついつい常よりも真剣に、深く考えてしまう。
 
 ちょっとした空き時間に、ひとりで思索にふけってしまうような人には好みの作品だと思います。

 あと、僕的には猫田くんが一番好きです。

このレビューの作品

ユニバース

その他のおすすめレビュー