一人称視点で書かれているこの作品。私自身、ニュースに疎いもので残念ながら自殺の名所であることは知らなかったのですが、そんな私でもこの作品は楽しんで読むことができました。面白いという表現がこの作品にあっているかは微妙なところですが、面白かったです。綺麗な文体でさらには流れるような展開。真似して行きたいなと個人的に思いました。それでは。
まず最初に謝らせてください。すみません、新小岩、ずっと千葉だと思っていました……。時々あの黄色い電車にお世話になっています。あらすじを見た時に感じた「こ、これは……人が何人死ぬんだ」という考えにはいい意味で裏切られました。変わらない街、変わっていく街。どんな形であれ故郷はいいものですね。
いいですね!そう、ちょっと独特な雰囲気のある町。これから変わろうとしている町。東京都でありながら、ほぼ千葉県。(ごめんなさい葛飾区でありながら、ほぼ江戸川区。(ごめんなさい商店街をメインに賑わう南口は明るく、多少なりとも都会の雰囲気がある。北口は一変して景色が変わり、何もなく寂れているのにも関わらずやたらと人が多い。知る人ぞ知る老舗のケーキ屋さんは、ネット通販なんかでも人気があるらしい。みんなも新小岩へおいで!
とても丁寧な描写で、行った事がなくても街の雰囲気が伝わってきます。大好きな街は、出来ればいい事で有名になって欲しいですね。小さな街の片隅で日本情勢について考える作者が、なんだかほっこりします(〃´ω`〃)
あらすじやタグを見たときに、暗い話なのかな、と思っていたのですが、そんなことなかったです。この駅を、その周辺を、故郷を、本当に好きなんだという想いが、ひしひしと伝わってきました。温かかいです。同時に、見知った場所が変わっていく寂しさに、共感してしまいました。変わらないものがないことは分かっているし、変わるということは、その原因がなにかあって、それをどうにかするための物なのだから、仕方のないこと。理解していても、少しだけ寂しい。
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