情景が浮かんできそうな物語でした。子供たちの無邪気さが伝統を変えたって言うのも面白いですね。お寺の優しさに敬服です。
どんな人にもあるであろう、故郷の思い出に残る、ちょっとした悪戯な過去。今となっては懐かしい記憶の断片かもしれないですが、もしかしたらそれが何かを変えるきっかけに繋がっているのかもしれない……昔懐かしの気分に浸れる、暖かい雰囲気の短編作品です。
この日だけはなぜか夜更かしオッケー。わかるわぁ、と思いながら除夜の鐘のくだりを読んでクスッとしました。子供達からのプレッシャーたるやかなりのものだったでしょうね!
田舎のおじいちゃんの家に行くのは、小さくて大きな冒険だっただろうなと、私はポットン便所が現役の田舎育ちだから、五右衛門風呂までリアルにイメージできた。除夜の鐘の微笑ましいエピソード。快活な語り口に山口の訛りを想像しながら読んだ。話の締め方が素敵で、すごく好き。
こんなキャッチをつけちゃうと、ホラーと誤解されそうだ。違いますよ。ぼっとん便所、照明のない廊下、日が沈む前に始まる帰り支度、などなど子ども心に恐ろしい存在は出てくるけどね。ほのぼのとした、和尚様と暮らしていた人々の温かさを感じるお話。素敵なエピソード、教えてくださってありがとう。