第1章ー2
※
少年は立ち尽くしていた。
漆黒の髪と瞳の少年。
儚げな雰囲気で少女に見られがちな容姿だが、着用している学ランから少年だと判断される。
少年は、先月中学に入学したばかりの13歳。
多少、埃は被ったが少年はかすり傷一つなく無事立ち尽くしていた。
少年の容姿は、先ほどの少女アリスと酷似していた。
アリスの兄だからだ。
少年は、色彩は日本人の母にだが顔立ちは父親似であった。
アリスの兄、
名前は、心(しん)・シンプソン。
祖母と別れてアリスを探してるうちに、コンタクトがズレたのでトイレにてコンタクトの位置を戻し終えた瞬間、
爆音と悲鳴が聞こえ、慌ててトイレから出てら、
心は、トイレが偶々この建物の中心部にあった事と厚い壁のおかげで無事どったようだ、
この惨事の中に立ち尽くしていた。
空を見上げた心は、絶望に打ちひしがれる。
飛行機が飛んでないが、
空が真っ赤に染まっている。
空は無数の視界で捕らえられないほどの
真紅の何かに、
無数の赤に埋め尽くされ、
上空から地上へと、落ちてくる。
ひらり、
ひらりと、
そして、
心の頬を
掠めて、
空を埋めていた。
その何かにが地上に舞い落ちた。
心は、その落ちたそれを視界に捕らえ首を傾げる。
真紅のそれは、
何かの花びらのようだった。
埋め尽くす倒れた人の上へ、真紅の花弁が覆いつくしていく。
心は、
弾かれるように、
眼に力を戻すと、
「アリス!
アリス、
おばあちゃん!
・・・」
心は、何度も声を張り上げて祈るように声を上げる。
心以外にも、無事生存された人々も、それぞれ意識ある人に声をかけて生存者を確認していた。
その間も、真紅の花弁は地上を覆い尽くそうとしていた。
アリス 竹村音乃鈴 @atheist
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