第1章ー1




 23世紀






 第3次世界大戦は半世紀前に収束し、




 それでも、国家間の戦争への火種が

 くすぶり続ける時代。



 四方を海に囲まれた日本は、


 上空すら


 高周波エネルギーを展開して、

 自治の安寧の中に閉ざされていた。



 金髪に碧眼の少女、主人公である。


 波打つ金髪は頭部に真っ赤なリボンで結わえている。


 白いブラウスに瞳の碧と同じワンピースとお揃いの靴。


 手の中には、

 ウサギがアリスに始終ハグされている。



 少女の名は、アリス。



 アリスは日本に疎開していた。

 父がアメリカで

 母は日本人。


 アリスの色彩は父譲りなのだ。


 アリスは本日で7歳の誕生日なる。

 アリスの誕生日を祝う為に

 両親が日本に来るのだ。


 空港に兄と祖母と両親を迎える為に空港に来ていた。


 その同行していた、兄と祖母は現在

 アリスの側にいない。


 そう、アリスは絶賛迷子中だった。



 空港は人で、ごったがえしていた。


 アリスは迷子になったのを気付かず、ガラスに張り付き発着する飛行機を食い入るよう見つめていた。




 真っ青な空が



 ピカッ、



 と光りに空が包まれる!



 眩しいく、眼を開けていられない程の光りの渦にアリス手の中のウサギさんをぎゅーと抱きしめた。



 ぐいっと、アリスは誰かに抱きしめられていた。




 大きな爆風でアリスが立っていた場所の強化ガラスが割れ、



 怒涛の様に悲鳴の渦に飲み込まれた。



 アリスは抱きしめられていた。

 近くにいた、見知らぬ大人がとっさに小さなアリスを抱きしめて爆風によるガラスの破片からアリスを護ったのだ。


 アリスは、視力がすぐに戻らず瞼を擦りながらそっと眼を開けて抱きしめた大人を見上げる?


「おじさん、たくさんケガしてるよ?」

 アリスは血を流す見知らぬ大人に話しかける。

「お嬢さんは、何処も痛いところはあるかい?」

 アリスを抱く力を緩めながら、おじさんは問いかける。

 ぶんぶんと首を振ってアリスは答える。

「そう、なら良かった」

 おじさんは、破顔するとアリスの頭を優しく撫でる。

「おじさん、血がたくさん出てるよ。

 おじさんは痛くないの?」

 アリスは、おじさんの頬に手を添えて問いかける。


「・・・、それじゃあ、

 お嬢ちゃんが誰か元気な大人を呼んで来てくれるかな?」

 おじさんは、心配かけない様微笑みを浮かべてみせるとそっと少女を抱いていた手を離すと立ち上がらせた。



「うん、呼んでくるから。

 待っててね、おじさん!」



 アリスは、踏み出そうと振り返ったとたん、足がすくみ動けなくなった。



 人が倒れている。

 それも、足の踏み場が無いくらい。


 今の今まで、

 強い光と爆風のせいで、視界と聴力が麻痺していたので、周囲の光景を見回す余裕がなかった。


 アリスがいくら子供でも、異常な事態だと感じとれるほどに。


 子供のアリスにとっても、絶望的な光景なのだ。


 アリスの背を

 そっと、押された。


 おじさんが、アリスの背を押し

「行きなさい」


 といって、もう一度優しくアリスの背を押す。


 アリスは、頷くと駆け出していた。


 アリスは、駆けていく後ろ姿を見つめていたおじさんは力尽き、身体は傾いて倒れ込んでいた。



 アリスがい空港ロビーにいた人は、

 地に伏せて身動きひとつなかった。




 おじさんとアリスが立ってた位置が建物の支柱の近くで、あの爆風の時に支柱の影に入り込んだ事で爆風の影響は軽減された事でおじさんの盾によりアリスは生存出来ていたのだ。














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