風景から立ち上がる世界観とキャラクターの愛らしさが魅力のファンタジー

たいへん面白く、楽しく、可愛らしい作品です。

まず素晴らしいなと思うのが、風景描写です。
北欧の景色が美しく描かれているのですが、それは決してただの景色にとどまってはいません。
人々の生活、営みと結びついた風景描写で、だからこそ世界観が見事に立ち上がってきます。
こういう部分には、なんとなく『指輪物語』などのファンタジーを連想しました。

また、一人ひとりのキャラクターもとても味わい深く可愛らしいです。
それぞれに面白おかしく個性が輝いていますし、何よりも決して悪い人間などいないのだ、という作者の方の温かな視線を感じて、読んでいてとても心地よいです。

終盤の攻防にはたいへんな臨場感で、ありありとその場面が浮かんできました。
面白さとキャラクターたちがどうなるのかが気になるのとで、一気に読まされてしまった気がします。

展開もも面白く、細かなところまで手の行き届いた設定も見事でした。

個人的にはレヴくん推しです...。

風景から立ち上がる世界観、キャラクターの愛らしさ、そして終盤の臨場感がとても素晴らしい作品でした。

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